日本全国に旋風を巻き起こしたTVアニメ「おそ松さん」を舞台化し、2023年11~12月に上演された舞台「おそ松さん on STAGE~SIX MEN’S SHOW TIME~2nd SEASON」。
新キャストとして6つ子・トト子・イヤミ・チビ太・橋本にゃーを演じたキャストたちが新たに繰り広げる、新・喜劇「おそ松さん」が、東京・サンシャイン劇場にて上演中だ(2024年9月2日(月)まで)。
おそ松さんの神髄である「お笑い」に特化した爆笑必至の内容は、何も考えずにひたすら笑え楽しめる極上のエンターテインメントに仕上がっている。
「Sparkle web」ではおそ松 役の中西智也、カラ松 役の大野紘幸にインタビュー。
前回「松ステ」に初めて出演し感じたことや、お互いの役者としての強み、頼りになるところなど、随所に笑いの飛び出す和気藹々とした対談となった。
interview
まずはお二人が初めておそ松、カラ松を演じた、2023年11〜12月上演の舞台「おそ松さん on STAGE ~SIX MEN’S SHOW TIME~2nd SEASON」を振り返って。どのような思い出がありますか?
中西:先代のキャストの皆様のことも意識しつつ、不安など色々な思いを抱えながら挑んだのですが、「自分たちなりにこのまま、新しい『おそ松さん』としてやっていっていいんだ」という勇気をお客様からたくさん頂けて嬉しかったです。今回はより自信を持って、僕たち6つ子でまた新しい新・喜劇「おそ松さん」を作っていけたらいいなと思っています。
観客のリアクションが自信に繋がったのですね。
中西:そうですね。(初代・おそ松 役の)高崎翔太さんに似てるって声も頂いて嬉しかったしおそ松として認めてもらえたような気がしました。もちろん翔太さんとは全然違いますけど、僕なりにまた違ったおそ松を演じられたらいいなと思っています。
大野さんはいかがですか?
大野:「すごく楽しかったな」という思いが強く残っています。稽古も楽しかったですが、本番ではこれまでの舞台で一番お客さんに笑ってもらったり、自分たちも演じていてお互いに笑い合うシーンがいっぱいありました。改めて舞台「おそ松さん」(以下、「松ステ」)って本当にいい作品だなと感じましたね。
やっぱり先代の皆さんがあっての2代目なので、自分たちが引き継いでいかなきゃいけないというプレッシャーをみんな感じていたと思うんですけど、本番を通してお客様からリアクションを頂くことができてすごく安心したというか。「成功させなきゃ、皆さんに楽しんでもらわなきゃ」という思いがすごくあったので、無事楽しんでいただけたのは本当に嬉しいなと思っています。
初日を迎えるまでは不安もありましたか?
大野:そうですね。もちろん稽古期間も「これは絶対面白い」と思ってはいたんですけど、本当にお客さんが笑ってくれるか分からないし、やっぱり不安やプレッシャーはありました。でも本番が開けたら皆さん初日からすごく温かくて。
中西:うん、そうだね。
大野:多分、お客様も迎え入れてくれたと思うので、そこは感謝しか無いですね。
中西:オープニングは暗転の中、6つ子みんな板付きで待ってるんですけど、カラ松だけ舞台上でマイク持って「帰ってきたぜベイベー!」って言うんですよ。
大野:そうそう、あれ緊張したよ!
中西:その時のお客さんの湧き方が「うわぁー!!」ってすごくて! 「最初からこんなに受け入れてくれるんだ!」って、それでさらにエンジンがかかりましたね。
大野:6つ子のみんなが「最初のセリフはカラ松だから、俺ら喋らなくても笑い取れるっしょ?」みたいなスタンスで。だから俺だけめっちゃ緊張してて(笑)。
中西:僕らは、ひろ(紘幸)の煽りを聞いて、お客さんの反応を見てるだけだから(笑)。「ひろ頑張って」って見守ってたらしっかり盛り上げてくれたから、さすがだなって。あの時だけは感謝しました。
大野:おい! 「あの時だけ」は要らないんだよ!(笑)
中西:神戸の大千秋楽ではハプニングがあったんですよ。十四松(演:中村碧十)が大千秋楽だからって調子に乗ってサメの人形を叩きすぎて、中の綿が全部出ちゃって。それをみんなで慌てて回収したんですが、その間にも即興で色々やってみたらお客さんの反応が良くて、こういうハプニングもお客さんは楽しんでくれているんだなということに気付けました。新・喜劇「おそ松さん」も全力で挑めば色々なことが起こると思うのですが、それも楽しめたらいいなと思います。
大野:アドリブということで言うと、去年の公演の段階ではまだ、何かハプニングが起きたら誰かが絶対にカバーできると言えるほどの関係性ではなかったと思うんです。もちろん日々深まっていってはいたんですけど。なので今回の新・喜劇「おそ松さん」の目標として、誰かが何かやった時に、事前連絡無しでもそれを盛り上げて面白くできるようにしたいよね!
中西:そうだね! できるとは思うんですけど――。
大野:変にやり合うとこの6つ子は喧嘩になるんで。
一同:(笑)。
大野:だから新・喜劇はさらにアドリブ感強くいきたいね。もちろん基本的には全部台本通りにやるんですけど、その場で起こるトラブルやハプニングも面白くできるのが「松ステ」という作品だと思うので、その強みを活かしたいと思います。
中西:そうだよね。楽しみです。
先ほどチラッとおっしゃってましたが、6つ子同士で喧嘩になることもあったんですか?
大野:喧嘩はよくしてましたね(笑)。
中西:お互い、我が強いから(笑)。
大野:あははは! 良くも悪くも我が強いから「自分はこれやりたい!」、「いや、自分はこれやりたい!」みたいなしょうもない喧嘩をしてました。でもそういうのも含めて、6つ子らしいんじゃないかなと。
中西:言わないより言って解決した方がいいからね。
大野:そういうのがあったから、また仲も深まったと思いますし。上辺だけで付き合ってるならそんな喧嘩も無かったと思うので、俺は喧嘩できて良かったなって思います。
中西:次に繋がる喧嘩でした(笑)。
お二人はお互いに稽古や公演を通して「ここが変わったな、進化したな」と感じることはありましたか?
中西:ひろはめっちゃイケメンになりましたね。伸びましたね〜。
大野:あっはっはっはっは!! 今日それめっちゃ言ってくるんですよ! しっかり書いといてください(笑)。
中西:めちゃくちゃかっこよくなったよね。なんか……やった?
大野:やってねえのよ! いじってねえのよ!(笑)。
中西:色々な舞台を踏んできたからですかね。あと、前までは取材を受ける時、衣装にちゃんとカラ松の青を入れてきてたんですよ。青のワイシャツとか。
大野:いやいや、ほら今日も青入ってるって!
中西:いや、見えてないじゃん!
大野:見えてないくらいがいいのよ!
中西:だから今日は青よりも自分のかっこよさを優先したのかなって。
大野:違う違う! 今日はほら、みんなの色が入ってるのよ! でも分かる? トッティのピンクだけ無いのよ。トッティだけいないのが面白いっていうので、今日はやってきてるの!
中西:やっぱり1年経つと、カラ松より自分のかっこよさを出してくるのかっていう。
大野さんご自身の。
大野:違う違う違う、出してないのよ!
中西:(笑)。でも本当にかっこよくなったなって思います。
大野:中西さんは「松ステ」の稽古や公演を経て、真っ直ぐな人だなってすごく思いました。みんなを引っ張っていくというよりは勝手に進んでいくみたいな感じですかね? 一番長男っぽいというか、良くも悪くも勝手に進んでいって、みんなが「おい、ちょっと待てよ」って言いながらもついていくみたいな。自由奔放なところもありつつ、その真っ直ぐなところがすごく素敵だなって思いました。一番最初は「真面目な人だな」って印象だったんですけど。
中西:あ、そうなんだ!
大野:すぐ「あ、全然そんなことないわ」ってなったんですよ。
中西:あははははは!
大野:「この人全然抜けてるわ」って。でも、なんだかんだ真っ直ぐだし、めちゃくちゃ優しい部分もたくさんあるし。そういうところが素敵だなって思っています。
中西:嬉しいです。
大野:こうして定期的に会わせてもらえて継続的にずっと一緒にいられる作品って、ありそうでなかなか無いと思うので、そういう意味ではすごく嬉しいよね。
中西:そうだね!
大野:本当にみんな家族のような感じで。
中西:やっぱり会うと楽しいし。
大野:落ち着くし。っていう関係性になってきたよね、自然と。稽古とか、こういった取材とかを重ねていくうちに。いい感じの関係性だよね。だから底辺の喧嘩もするし(笑)。
中西:あははは! 6つ子で会議も開くしね。
大野:くっだらないことで笑い合えるし。
中西:これからもこんな感じで「松ステ」は続いていくだろうし、続けていけるように僕たちも頑張っていきたいね。
役者としてはお互いにどういうところがすごいと感じていますか?
中西:ひろはお芝居がめちゃくちゃいいなと思っています。カラ松ってすごく難しいんですよ。求められることも多いし、6つ子の中でもカラ松がバンってボケるところが結構多くて。ひろは堂々とカラ松を演じて、しっかり笑いも取ってくれるので、本番期間中ずっとひろの凄さは感じてましたね。ひろがカラ松で良かったなって思っています。
大野:ありがとうございます!
中西:ひろじゃないとできないカラ松がいるので、めちゃくちゃ好きです。
大野:智也は稽古でも何かしら、もっと広げられるんじゃないか、もっと面白くできるんじゃないかと常に考えているんですよ。そういう真っ直ぐな姿勢を見て、みんな「智也についていこう」と感じたと思うんですよね。でも「何か思い付いた?」って聞くと全然まとまってないんですけど(笑)。そんなところもすごく良くて。俺は智也の真っ直ぐさに惹かれています。でも、結局みんな真面目だよね?
中西:そうだね、作品に対してはね(笑)。
大野:智也はカラ松の話もしてくれてましたけど、とはいえやっぱり真ん中はおそ松じゃないですか。だから俺はおそ松にはおそ松のプレッシャーがあると思うんですよ。何かあれば常におそ松が喋らなきゃいけないし、まとめなきゃいけないし。
中西:「松ステ」は、6つ子がいてくれるのでみんながツッコんでくれるだろうという安心感や信頼関係があるから、おそ松として話しやすいんだと思うんです。
大野:代表して喋ると、みんなから「全然上手くないじゃん!」みたいにツッコまれたりしてるんですけどね(笑)。でもやっぱりそこのポジションを務めるのはすごく大変だなって思うし、その大変な役目を背負っている智也はすごく素敵でかっこいいです。
中西:嬉しいです。今日は褒め合う会ですか?(笑)
大野:そうそう、「褒め合う会」って実際にあったんですよ! 6つ子で喧嘩した時に、「ここは良かったよ!」、「今日あそこ良かったよね!」みたいなことを、気付いたらその場で言い合っていこうって決めまして。
中西:「ポジティブなことを言っていこう!」ってね。
大野:それまでは「ここ変えて!」とか「ここ合わせようぜ!」みたいなダメ出しが多かったんですよ。そっちじゃなくて、プラスの方を伸ばしていこうって。確かにあの時間は良かったよね、褒められたら気持ちいいから。
中西:それが良かったのかもね。
さらに仲良く高め合う6つ子が繰り広げる新・喜劇「おそ松さん」が今から楽しみです。
大野:まずは今回、F6がいないということで客席が埋まるかという不安が。
中西:あはははは!
大野:でもやっぱり、俺らは俺らで「芝居でお客さんを沸かせたい」という気持ちがあるし、今回は俺らの独壇場なのでマジで沸かせたいし、「6つ子は最高だな」って思ってもらえるように頑張りたいと思います!
中西:そうですね、今回は6つ子とトト子ちゃんとイヤミとチビ太と(橋本)にゃーちゃんだけの作品なので、キャスト全員で一体感を出して、来てくださったお客様を全力で楽しませて、「また観たいな」と思ってもらいたいですね。観てくださった方が友達とかに勧めてくれるぐらい楽しい空間にできたらいいな、次に繋げられたらいいなと思っています。
information
新・喜劇「おそ松さん」
【日時】2024年8月29日(木)~9月2日(月)
【会場】東京・サンシャイン劇場
【原作】赤塚不二夫「おそ松くん」
【演出】村井 雄(KPR/開幕ペナントレース)
【脚本】小峯裕之
【音楽】橋本由香利
【出演】
おそ松 役:中西智也
カラ松 役:大野紘幸
チョロ松 役:杉咲真広
一松 役:三井淳平
十四松 役:中村碧十
トド松 役:本間一稀
トト子 役:太田夢莉
イヤミ 役:瀬戸祐介
チビ太 役:kayto
橋本にゃー 役:福山絢水
【チケット】
一般発売中
イープラス
【配信】
9月2日(月)11:30公演/16:30千秋楽公演
詳細ページ
osomatsusan-stage-2nd.com/shinkigeki
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中西智也さん・大野紘幸さんのサイン入りチェキを2名様にプレゼント
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中西智也×大野紘幸×杉咲真広×三井淳平×中村碧十×本間一稀 掲載
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内容:舞台「おそ松さんon STAGE~SIX MEN’S SHOW TIME~2nd SEASON」
インタビュー+コラム&撮り下ろしグラビア
巻末綴じ込み付録:ツヤツヤ厚紙ピンナップ
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テキスト・撮影:田代大樹
ヘアメイク:久慈真史、AYA
©赤塚不二夫/「おそ松さん」on STAGE製作委員会2024