【雷太】R-System Cue.01「Birdman」【インタビュー&グラビア&稽古写真】

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俳優だけでなくモデル、ダンサー、DJなどジャンルレスな活動を展開する雷太が、舞台芸術を上演する新プロジェクト【R-System】を発足。
第一弾公演として自身初となる一人芝居、R-System Cue.01「Birdman」を2024年12月13日(金)~12月15日(日)に東京・浅草花劇場にて上演する。

「Sparkle web」では稽古前の貴重な時間をお借りして雷太にインタビュー取材を実施。
脚本・​演出を手掛ける丸尾丸一郎(劇団鹿殺し)とのエピソードや、丸尾曰く、雷太への「挑戦状です」と語る本作の気になる内容について。
さらに多岐にわたる活動を見せた2024年の振り返りや、今後のR-Systemの展望などを語っていただいた。
撮り下ろしグラビアと貴重な稽古写真と共にお届けする。

らいた
1993年12月16日生まれ、埼玉県出身。最近の主な出演作に、ミュージカル『刀剣乱舞』シリーズ(大典太光世 役)、ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』(パリス 役)、OFFICE SHIKA PRODUCE「ダリとガラ」(サルバドール・ダリ 役)、劇団ホチキス 第49回公演「スクールバス」(蜂須賀朝陽 役)など。2025年2月8日よりCCCreation Presents 舞台「黒蜥蜴〜Burlesque KUROTOKAGE〜」(黒蜥蜴 役/明智小五郎 役)への出演を控える。X(Twitter)

interview

本作品は「30歳のうちに、一人芝居をやりたい!!!!」という雷太さんの思いから立ち上げられた企画とのことですが、一人芝居への憧れはいつ頃から抱いていたのでしょうか?

雷太:僕が演劇の学校に通っていたのもあり、「いつかは一人芝居をやりたい」という憧れは漠然とですが抱いていました。大学を卒業してから本格的に役者へシフトチェンジしていき、今に至るまで演劇というものをより深く追求していく上で、役者として自分自身に一つのターニングポイントを作るためには、やっぱり一人芝居に挑戦したいと感じていて。で、30歳のうちにタイミング良くやれそう!ということで(笑)。
僕ってキッカケが無いと挑戦できないタイプなんですが、今回は色々とタイミングも重なったので、これまでの役者としての一つの集大成になるようなものを作りたいなと、こうして挑むことになりました。

脚本・演出の丸尾さんからは「雷太が一人芝居に挑戦するなら、絶対に一人で演じられない脚本を書いてやろうと思います。これは僕からの挑戦状です」とのリリースコメントがありましたが、挑戦状を受け取った際のお気持ちはいかがでしたか?

雷太:嬉しかったですね! 丸尾さんらしいというか(笑)。僕がどういう芝居をして、どういうものが好きで、どういう負の感情を持っているかということを、すごく理解してくださっている。長い年数をお付き合いしてきたわけではないんですけど、僕のそういった部分まで見てくださっているような気がしています。
丸尾さんも一人芝居を書くのは初めてということだったので、この挑戦状に応えられるよう食らいついていきたいなという気持ちも生まれましたし、こんなに挑戦できる機会を与えてくださって、すごくありがたいなと思っています。

脚本を拝読したのですが、「これ、本当に一人芝居!?」というボリュームですね。

雷太:はははは!! 本当ですか(笑)、ありがとうございます。

まさに雷太さんへの当て書きなのだろうなという内容ですし、これをお一人で演じられるということは、ある意味とても贅沢な体験なのではないかと感じました。

雷太:本当にそうだと思います。スタートの時点で「一人芝居で」ということでお願いしたのもあるんですが、僕の脳内を書き出した“アイディアシート”というか、僕が好きなものとかやりたいことをまとめたものを会議で提出したんです。

雷太さんから「こういう要素を入れたい」といったものを提示し、それを基に丸尾さんがお話を組み立てていった。

雷太:そうです。ちょっと特殊なパターンだと思うんですが。例えば「鳥のアイデンティティがある」とか、ビートボックスできる、踊りもする、歌もやる、こんなことやりたい、といったものをまとめて丸尾さんに提示して、それを参照しながら作っていただいた部分もあります。なので丸尾さん自身も大変だったと思います(笑)。お芝居なんですけど、僕の持つエンターテインメント性みたいなものも同時に展開できるような作品に出来たらいいなと思って、作っていただきました。

そうして出来上がった脚本を読んだ感想は?

雷太:まずそもそも、僕って人に何かお願いするのが苦手なタイプで。僕自身がすごくネガティブなのもあるのですが、自分のために誰かの時間を割かせるのは申し訳ない気持ちになっちゃって、プライベートでもあまり出来ないんです。でもエンターテインメントを創るには僕の身体一つあれば済むことじゃなくて、観てくれる人をはじめ、音響さんや照明さん、舞台美術さんといった制作スタッフの皆さん、そして劇場スタッフの方々など色々なチームが合わさっているから、どうしても自分一人では出来ないもので。
なので今回は勇気を出してお願いしたんですけど、丸尾さんが僕のルーツやいろんなものを踏まえた上で、僕の一人芝居のために脚本を書いてくださったという事実にまずすごく感動したし、それだけで幸せで、頭の下がる思いでした。そしてこの脚本を演じられるということ、僕を応援してくれている人たちや気にしてくださっている人たちに観ていただける機会を持てるということに、「自分はなんて恵まれたところにいるんだろう」と強く感じたのを覚えています。

雷太さん曰く、丸尾さんは「僕という存在を認めてくださり、可能性を広げてくださった」方とのことですが、具体的に丸尾さんとのお仕事は雷太さんにどんな影響を与えたのでしょうか?

雷太:僕が初めて丸尾さんとご一緒したのはOFFICE SHIKA PRODUCE「ダリとガラ」(2023年)だったんですが、それまでも丸尾さんのことは存じていて。劇団鹿殺しの作品も観たことがありましたし、「主役の椅子はオレの椅子」という番組で鬼軍曹をやられていたり(笑)。なのでお会いする前は“半分楽しみ半分ドキドキ”みたいな感じでした。
いざお会いして一緒に作品を作っていくと、僕も演劇を作る上でのクリエイティブな作業が大好きなのですが、稽古場でのアナログなやり方や試行錯誤する時間が本当に楽しくて! 僕自身が元々、踊りや音楽など色々なことに興味があってやってきたタイプなんですが、丸尾さんの作るものと噛み合う部分や共感できる部分があるような気がしています。エンターテインメントなんだけどアングラチックな要素も入る、みたいな。

雷太:それに丸尾さんの前だと嘘が吐けないというか、芝居に関してすごく“見抜かれる”んです。でもそれはとてもありがたいことで。セリフの中でどうしても感情と身体が一致していないと感じる時、「そこ、やりづらそうだね」と見抜いてくださったり、凝り固まっていた部分を崩してくださったり。それによって役者としてはより高みを目指すことが出来る。そういった部分がとても大きいと思います。
あとはお芝居として、他の人がやらない選択というものをすごく求めてくださるんです。お芝居する上で、“誰にでも出来るチョイス”みたいなものってあると思うんですが、そうじゃなくて「それは誰にでも出来るものだから、もっとオリジナリティーを探せるんじゃない?」といったことを稽古を通じて見つけてくれたり、一緒に探してくださる。僕はずっと“個性”というものに悩んできた人間だったので、ある種そうやって僕の考え方をいい方向に導いてくれたという思いがすごく強くて。僕の可能性を広げてくださいましたし、丸尾さんとの出会いが役者としてのターニングポイントになったと思います。

今回の公演ではゲストとして川﨑優作さん、笹森裕貴さん、財木琢磨さん、立花裕大さん(五十音順)が出演する回もありますが、この4名を選んだ理由は?

雷太:もう、僕が好きな人たちです。財木さんは丸尾さんの作品でもご縁があり、すごく絡みの多い役で共演させていただいて。今回も丸尾さんの脚本・​演出なのでぜひご出演いただければとお願いしました。川﨑くんとはミュージカル『テニスの王子様』時代から一緒で、楽しいことやふざけたこと、悩みなども一緒に共有できるような仲ですね。立花くんと笹森くんとはミュージカル『刀剣乱舞』で初めましてでしたが、共演者が多い中でもこの二人とは一緒の公演も多いですし、プライベートの時間も分かち合えるような仲。先ほど「人にお願いするのが苦手」と言いましたが、そんな中でも限られた“お願いしやすい人たち”です(笑)。

そんなゲストの一人である笹森さんとも共演されたミュージカル『ロミオ&ジュリエット』。雷太さんにとっても2024年のハイライトの一つになるのではないかと思うのですが、『ロミジュリ』を経験したことで得たものなどはありますか?

雷太:僕にとって初めてのグランドミュージカルでしたので、幅広い世代の方々と共演する中で、自分のお芝居や立ち位置、自分がすべきことなど、色々と考えながら挑んだ作品でした。一つ自分の中でびっくりしたことがありまして、公演プログラムで(潤色・)演出の小池修一郎さんが一人一人の役者さんについて「どういうところをフォーカスしているか」といったことを書いていたのですが、僕は“個性”と書いていただいて。
先ほども言った通り僕は個性が見つからない中でやってきて、活動を通してずっと自分にとっての個性を探してきたんですけど、一つそこで個性という言葉を頂くことが出来て。「僕は個性がある人なのかな」ってびっくりしつつ、すごく感動したんです。役者にはいろんな立ち位置があると思うんですが、僕は正直真ん中というよりも個性的な役が昔から大好きでやりたかったし、飛び道具のようなポジション、場の雰囲気を変えたり制圧するような人を目指していたので。
『ロミジュリ』のような大きなミュージカル作品にそういう役割で僕を求めてもらったとすると、それはとても嬉しいことで。でも同時に足りない部分も浮き彫りになってきたので、そういった意味でも色々な意味で今後の自分の糧になるような時間だったと思いますね。

雷太さんが感じた「足りない部分」とは?

雷太:やっぱりキャパシティとか、大きな劇場に合わせたお芝居、そして俯瞰で見る力などをもっと蓄えたいなと思いました。あと、当たり前ですがグランドミュージカルなので、やっぱり歌ですよね。歌唱にも色々な種類があって、僕もミュージカルに出るにあたりたくさん学んだりはしたのですが、まだまだ学ぶ余地があるなと。演技の表現、ダンスの表現など色々ある中で、歌唱の表現というものをもっと身につけたいなと思いました。

共演された方々から感化された部分も?

雷太:もちろんありますね。やっぱりベテランの方をはじめ、劇団四季や宝塚歌劇団出身の方など、すごいキャストばかりでしたので。「歌の力ってこんなにすごいんだな」と、現場に行って改めて思わされました。

今後もグランドミュージカルには挑戦していきたいですか?

雷太:そうですね。僕自身はあんまりジャンルの垣根を考えたことは無くて、自分が興味あるものをずっとやっていきたいというのはあるんですけど、やっぱり一つの表現として音楽がとても好きだし、身体を動かすことも好きなので、そういう意味でもミュージカルには今後も挑戦していきたいです。
ただやっぱりアングラっぽいことも好きだし、セリフ無しで踊りだけで表現するようなことも好きだし、DJなど全然違う界隈の表現も好きだし。作品の大小といったことよりも、自分が面白いと思うものや新しいことに挑戦していきたいというのはありますね。

それこそ今年は全国のZepp(ライブハウス)を巡ったミュージカル『刀剣乱舞』 江 おん すていじ ぜっぷつあー から始まり、『ロミジュリ』、劇団ホチキス 第49回公演「スクールバス」、そしてミュージカル『刀剣乱舞』 祝玖寿 乱舞音曲祭 で全国のホール・アリーナクラスを回り、最後はミニマムな一人芝居で締めるという、作品の規模感もテイストも振り幅の大きな1年だったかと思います。

雷太:そうですね、いろんなところを行き来していますね(笑)。僕もそういう役者さんが好きですし、マルチメディア、ミクスチャーみたいな文化が大好きなので。そういったカルチャーに刺激を受けてきたので、僕もそんなスタンスでエンターテインメントに携わっていきたいと昔から思っていましたし、今後も「歌も芝居も踊りもやる面白い人だな」という感じで見ていただけたら嬉しいですね。

今回の一人芝居も雷太さんを構成する様々な要素が詰め込まれた作品になるかと思います。「R-System Cue.01」とナンバリングされていますが、「Cue.02」以降の構想も?

雷太:正直、今は必死でまだ考えられていないですが(笑)、出来たらいいなという願いも込めて一応「01」という形でやらせていただきました。まあ、続いていくかは僕次第ですね(笑)。ただやっぱり演劇が好きだし、舞台芸術が好きだし。いろんな作品に客演で出させていただくのも好きですけど、もしこの後自分のやりたいことがまた出てきたら、「02」、「03」と重ねていけたらいいかなとは思っていますね。

形態も一人芝居にこだわらず?

雷太:もちろん! 例えば何人か少人数でのお芝居とか、いろんなタイプの劇場でやってみたいとか。やりたいことはたくさん、ラフ画みたいな感じでざっくりと頭の中にあるんです。なので一人芝居にこだわってはいないです。

また今作はチケット価格に、一律のチケット代金ではなく座席エリアと料金帯を細分化することで、観劇体験における観客の選択肢を広げるシステムを導入したことも話題に。一番安価な立見席は3,500円からと、手の届きやすい価格に設定されています。

雷太:僕も学生の頃はお金が無くて、でもインプットしたくて……。学生料金がとてもありがたかった。特に演劇は観る前に内容が分からないものも多いから、お客様にとってもハードルが高い面はどうしてもあると思うので、その間口を少しでも広げるためにこのような形のチケット代を導入させてもらいました。自分のイベントや自分が関わるものではなるべく皆さんが来やすいような環境を整えて、「ここが楽しかったな」とか「こういうエンターテインメントもあるんだ」とか、とにかく「楽しかった」、「来て良かったな」って一人でも多くの人に感じていただけるようなものを提供できるよう常に考えています。

雷太:内容だけでなくそういったシステムも含め、「Birdman」は僕にとって初めての挑戦がたくさんある作品になります。損させない時間を1分でも提供できたらなと思っていますし、そう思っていただけるように頑張りますので、本当に気軽に来ていただけたら。こういった作品、プロジェクトは、次またいつ出来るか分かりませんので。ぜひ見逃さずにチェックしてもらえたらと思っております。

information

R-System Cue.01「Birdman」

【日程】2024年12月13日(金)〜12月15日(日)
【会場】東京・浅草花劇場

【脚本・​演出】丸尾丸一郎(劇団鹿殺し)

【出演】雷太

【ゲスト出演】
笹森裕貴(2024年12月13日 20:00公演)
川﨑優作(2024年12月14日 12:00公演)
立花裕大(2024年12月14日 19:00公演)
財木琢磨(2024月12年15日 12:00公演)

【チケット】
追加先着発売中
詳細ページ

【配信】
2024月12日15日(日)12:00公演(ゲスト:財木琢磨)全景映像
15:30千秋楽公演(雷太のみ)スイッチング映像
詳細ページ

raitaandraitamama.zaiko.io/e/r-system-cue01-birdman

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テキスト:田代大樹
撮影:平田景子
ヘアメイク:久慈真史

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