梅津瑞樹がプロデュースし、橋本祥平との共同企画により立ち上げられた演劇ユニット「言式」。
互いに俳優として数々の作品で活躍してきた二人による新機軸は大きな反響を呼び、2023年10月に上演された旗揚げ公演「解なし」はチケットが即完売。追加公演が行われるほどの成功を収めた。
そして2024年12月19日(木)〜12月29日(日)に、東京・I’M A SHOWにて待望の第二弾公演「或いは、ほら」の上演が決定。
「Sparkle web」では梅津・橋本の両名にインタビューを実施。前作「解なし」の振り返りを端緒とし、今作でさらに追求したい表現について、ヴェールに包まれたその全貌に迫った。
言式とは「試」という漢字を分解したもの。
その名の通り、この第2作では二人によるどういった「試み」が行われるのか。
※本稿では公演の内容に触れている箇所がございます。
interview
撮影中もお二人で楽しそうにお話しされていましたが、制作中の「或いは、ほら」のお話でしたか?
橋本:そうですね、(脚本の)初稿が上がりまして!
梅津:つどつど二人で会って「こういうの面白いんじゃない?」みたいなことを話し合い、そこに肉付けしたものが本になりまして。一昨日の朝まで書いていたんですが、さすがに悪いかなと思いつつも「さっさと送っとこう」と、朝8時に送ったんですよ。そしたらすぐに「ありがとう!」と返信が来て。ただ、もちろん祥平も僕も別の舞台の本番があったのであれなんですけど、一向にその後の返信が無くて(笑)。
橋本:あはははは! いや、すみません(笑)。
梅津:「えっ、大丈夫だったかな!?」みたいな(笑)、ドキドキ感があったんですけど、ちょうどさっきの撮影の合間に「めちゃくちゃ面白かった!」って言ってくれて。一安心しました。むしろ今日は感想を聞けるのが楽しみで来たみたいなところもあります(笑)。
橋本:すみません、「会って直接感想を言いたいな」って思ってしまったので。文字だけじゃ、俺のこの感動を伝えられない!と(笑)。公演本番のマチソワ(マチネ・ソワレ)間に読ませてもらったんですけど、共演者の方に「お前、何ニヤニヤしながら読んでるんだよ!」って言われるぐらい、めちゃくちゃおもろいんですよ!
梅津:嬉しい……!
橋本:二人で「こういう設定でいく?」などと話し合ってはきたんですけど、やっぱりそのアイデアを膨らませたのは梅津先生なので。その膨らませ方や着地の仕方も面白いですし、改めて「ああ、俺やっぱ彼の書く文字とワードセンスめっちゃ好きだな!」って思いました。梅津瑞樹節というか、例えば5人ぐらいの脚本家さんが同じ題材で書いたとしても、俺絶対「ああ、これが梅津先生の本だね」って分かる!
“利き梅津さん”が出来るんですね!
梅津:あははは、すごい!
橋本:ありがたいことに旗揚げ公演の反響が良かったんですけど、この本を読めば今回も自信を持って「来てください!」と言えます。
梅津:おお! そう言ってくれたら僕も自信を持てます(笑)。
1992年12月8日生まれ、千葉県出身。最近の主な出演作に、舞台『刀剣乱舞』シリーズ(山姥切長義 役)、舞台『マリオネットホテル』(エゴ・ヴェラキッカ 役)、三人芝居「6006」など。2025年2月15日より舞台『刀剣乱舞』十口伝 あまねく刻の遥かへ(山姥切長義 役)への出演を控える。X(Twitter)
旗揚げ公演の反響というところを、もう少し具体的にお伺いしてもよろしいでしょうか?
梅津:まず発表から大きな反響を頂きまして、全公演完売となりまして。
追加公演も決まりましたからね。
梅津:はい。そもそも公演期間が短かったというのもあると思うんですが、毎日、当日券を求めてたくさんの方が並んでくださるぐらい、皆さんこぞって来てくださって。僕らの旗揚げにこれだけ価値を見出してくださるのがまず嬉しかったですね。で、蓋を開けてみた後にSNSなどで感想を頂いたんですが、どれもすごく好意的なものばかりで。
橋本:そうですね、本当に好意的なご意見を数多く頂きました。先ほど瑞樹くんも言っていたんですが、何よりも席が埋まっているということが嬉しくて。我々演劇人としては「これ以上のご褒美は無いな」という景色を毎回見させてもらっていたので、旗揚げ公演は「大成功」という幕を下ろせたなって思います。
梅津:平野 綾さんや武子直輝とか、関係者の方も結構観に来てくださったんですが、皆さん絶賛していただいて。気を遣ってくれたのかもしれないですが(笑)、それも励みになりました。
1993年12月31日生まれ、神奈川県出身。最近の主な出演作に、舞台「フルーツバスケット」シリーズ(草摩 夾 役)、東映ムビ×ステ『邪魚隊/ジャッコタイ』(スルメ 役)、舞台「野球」飛行機雲のホームラン ~ Homerun of Contrail(穂積 均 役)など。2025年に『あんさんぶるスターズ!THE STAGE』-Desperate Checkmate-(月永レオ 役)への出演を控える。X(Twitter)
橋本:僕はある種、“小劇場演劇”というものへの憧れがありまして。旗揚げ公演ではそれを体現できたというか。で、お客さんもその空気感とかを感じとってくれたんじゃないかなという感覚がありましたね。小さな力かもしれないですけど、この言式によってさらに演劇界も盛り上がったらいいなという期待もあります。
梅津:初めて観た舞台が「解なし」だったって人もいらっしゃって。そこから演劇に興味を持ったり、「面白いな」と思ってくださった方もいて、すごく嬉しかったですね。公演中に客席に降りたりもしたのですが、それは例えばファンサービス的な降り方ではなくて。そういった空間の“壊し方”をお客さんも一緒になって面白がってくれたのが良かったなと。
橋本:うんうん。
梅津:劇場のお客さんの空気感をたった二人でコントロールできていたという実感がありましたね。さっきまで笑えていたのにガクッと落ちるところだったりとか、緩急が結構激しい話だったと思うんですけど、ゲラゲラ笑っていた人たちが次の瞬間にはシンとなっていたり、僕らと客席の間でちゃんと意思の疎通が出来ていた。
脚本家とか演出家の癖みたいなものってあるじゃないですか。初めて観る舞台だとそこがイマイチ合わなかったり、「多分ここでもっとこうなってほしいんだろうな、こういうリアクションが欲しいんだろうな」みたいなことが伝わってきても、そこにイマイチ乗り切れなかったりすることもある。僕はそういう瞬間も好きなんですけど、「解なし」では僕らと客席が上手く噛み合っていたのが良かったなと。
橋本:そうだよね。ちゃんと僕らが「ここ面白くないですか?」と提示したところで笑ってくれて。その笑いも初日は新鮮だけど、ありがたいことに何回も来てくれる方もいらっしゃるし、回を重ねるごとに失速していくこともあるかと思うんです。でも「解なし」ではずっとキープできていたような感じがあって。テコ入れしたりアドリブなどを足すこと無く、毎回ちゃんと楽しんでいただけたっていうのは、やっぱり瑞樹くんの書く文字の力だと思います。
梅津:でも、アドリブっぽく見えるけど本当は台本に書いてあるという部分も意図的に作ったりしていたので、「アドリブかも」と思って笑ってくれていた人はいるかもしれないね。あくまで自分たちでコントロールしているということが大事だと思っていたので、そこは成功したのかなと。
本当に素晴らしい旗揚げ公演だったと思うのですが、前作を経て、今作でより突き詰めたい部分などはありますか?
梅津:オムニバスであることの意味みたいなものは、今回はより強くしました。というのも、年末のこの忙しい時期に来てもらうということも意識していて。なんか年末って1年通してすごく特別な匂いがするというか、別に1月になったとて何も変わるわけではないのに、なぜかみんな何か変化があることを期待していたり、この1年を上手く締めくくろうとしていたり、そこがすごく特別だなと思っていて。その気持ちに寄り添った内容にしたくて、同じく大晦日にかけて年末を過ごしていく人々たちの話がクロスオーバーしていくようなものにしています。一つ一つの話の繋がりが前作よりもさらに分かりやすくなっているかと思いますね。
あとは舞台技術もより突き詰めたいところではあります。想像の中で「こうなったらいいな」と思い描くことと、それが実現可能かどうかということは別で、やはり我々では判断がしきれないので。実際に打ち合わせが始まるまではどうなるか、みたいな状況ですね。
前回は1発目にして「屋台崩し(舞台の建物が崩れたり倒れたりする仕掛け)」という、ある意味必殺技を使ったので。まあ、1発目だからこそ使いたかったのですが、今回はそういった大技は無しにしたいということは話していて。じゃあどうしようか、といった感じです。
橋本:そうですね、その必殺技無しに今回どれだけ勝負できるか。でも「こんなのどうかな?」って瑞樹くんが思い描いている舞台装置をチラッと聞いたんですけど、それが出来たらめちゃくちゃおもろいし、俺はそんなの見たことないなと。今後、それが実現できるのか話し合っていかないとですね。
梅津:「ああ、そんなの無理無理!」って言われるかもしれない(笑)。
橋本:でも前回の屋台崩しも、「無理無理!」から「いや、やらせてください!」ってひっくり返したから(笑)。
梅津:「お願い!! お願いだよ〜!!」って頼み込んだら、「しょうがないなぁ」ってやらせてくれるかも(笑)。
橋本:だから、不可能は無いと信じて!(笑) 前回の経験にプラスアルファしていけば、頭の中にあるものを体現できそうな気がしますけどね。
梅津:照明もネックで。舞台美術はこの方向性で、というのがある程度決まっても、もちろん稽古場では照明なんて焚けないので、結局現地に入るまでは想像することしか出来ないんです。なので劇場に入ってからも「もっとこうしたいな」といった点が多く出たのが照明だったし、一番最後まで揺らいだ部分でしたね。たださっき二人で話していたら、彼(橋本)がすごくいい照明の案を出してくれて。やっぱり二人で話すことが大事なんだなと改めて思いましたね。
橋本:なんとなく前々から瑞樹くんに聞いていたプランと照らし合わせながら、「ここ、こうしたらいけそうだな」といったことを考えながら台本を読んでいて。瑞樹くんに刺さってくれて良かったです。
梅津:あと僕は普段、人と喋らないんですよ。じゃあ、なんで台本を書いてるんだって話なんですけど(笑)。例えば一人称の小説だったら、ト書きにあたる地の文を主人公の感情や「今どう思っているのか」みたいなところに当てられるけど、舞台だと基本は会話でしか進行しない。前作から「自分は会話をもっと上手く書きたい」と思っていたんですが、今回はよりそこに重点をおいて会話の面白さを追求しました。登場人物たちがどういった波の中で喋っているか、といったところや、その時の空気感などは意識して書きましたね。今回は会話がよりウィットに富んでいるかも(笑)。
お二人とも大カンパニーから一人芝居まで経験されていますが、二人芝居ならではの面白さ、または難しさなどはどういったところに感じていますか?
梅津:難しさはやっぱり「喧嘩できない」ってところですかね。
橋本:あははははは!!
梅津:喧嘩したら終わり。「もういいよ、お前なんか!」ってなったらおしまいですからね(笑)。
橋本:そうですね。仲裁してくれる人もいないし(笑)。
言式の立ち上げ時に行った既刊『Sparkle vol.54』でのインタビューでは、俳優仲間から「ゲストで出たい」といった声も上がっていたという話もありました。2作続けてお二人だけでやることにこだわった理由は?
梅津:あくまで僕は「彼(橋本)とやりたい」と思ったから今、言式をやっているというのがあって。二人でしか出来ないことと、3人以上で出来ることってまた別ベクトルであって、そこに手を伸ばしたくなった時に、お互いに「じゃあ、いいか」となればゲストという手もアリかなと思うのですが。基本は二人がいいですね。でもやっぱり、3人で出来ることも結構あるよね?
橋本:まあね、本当にそうだよね。
梅津:3人以上のキャラクターを登場させるとなると、絶対にどちらかがもう一役やるしかないんですね。録音という手もありますが、その手はなるべく言式では使いたくないと思っていて。どちらかがもう一役やる、もしくは無対象でやるとなると、書いているうちに「あれ? こうなったら二人とも喋れないじゃん」という、3人共存している空間を表現するのが難しい場面に行き当たったりして。そこをかわしながら書くのが結構、難儀ですね。
あとはやっぱり会話のテンポを考えた時に、ここは実音で返しが欲しいなというところがあるんですよ。でも3人目を無対象で演じていたら、返事が返ってきたという想定で「いやいや、何々でしょ」って返すとちょっと違うニュアンスになってしまう。無言のセリフが浮かび上がってしまうと意図するものとは違ってきてしまうし、テンポ感も変わってしまうんです。まあ、想像力を働かせるという意味では二人で3人以上のものを演じるということの利点もあるし、良くも悪くもだな、というのは思いますね。
その制約の中でやるからこそ、観客も想像力を働かせ能動的に楽しめる面もあるかと思います。
橋本:そうですね、お客さんに頼る部分もあるかもしれないです。でも、きっと大丈夫じゃないかなって思ってますが。
梅津:結構、最後らへんとかめちゃくちゃになるんですよ。そこは「ついてこれるか、俺たちのスピードに」って感じで。
二人:ふははははは!!
梅津:もちろん演出などによって“置いてけぼり感”をなるべく無くしていきたいなとは思いつつも、あくまで「ついてこれるか?」という思いも持ちつつ。この内容を見せられるものとして成立させることが出来たら本当にすごいことだなって思ってます。
橋本:確かに! 本当にそうだね。
先ほど梅津さんから「あくまで橋本さんとお二人でやりたい」というお話がありましたが、橋本さんは梅津さんとの二人芝居を通じて思うこと、感じることはありますか?
橋本:もう、お芝居している時は常に刺激を受けています! 本当に大好きな役者さんなので、こうしてユニットを組ませていただいて、前回の旗揚げ公演では「彼の頭の中をちょっと覗けたな」というのが嬉しくて。二人芝居の利点で言えば、彼の引き出しを独り占めできるということが本当にありがたいですね。
贅沢なことですよね。
橋本:はい、贅沢です。本当に贅沢な時間を舞台上で過ごせるので、それが僕の中での二人芝居の最大の利点ですね。
梅津:それで言うと僕も書く段階から、例えばある程度「この役は祥平で、この役は僕かな?」といったことを想像しながら書くんですが、「祥平はここをどう演じるんだろう?」みたいなワクワクを常に感じながら書いていますね(笑)。その後もし、自分の想像を超えたものが稽古場で出てきたら書き直してもいいし、違う方向に修正してもいいし。そういう作業を柔軟に出来るというのも、二人きりの利点かなと。
橋本:確かに。前作もオムニバスのうちの一つだけ、最終稽古3日前くらいに全部崩して作り直したんです。でもそれも少人数だからこそ、融通が効くものでしょうしね。
梅津:祥平は対応が速いんですよ。僕が演出という役割で一応やってますけど、例えば「ここをこうしてほしいな」と思い付いた次の瞬間に、もう祥平はやってくれるんです。多分、二人の思い描く像みたいなものが一緒なんだろうなと思っていて、だから特に演出をつけることも無く。
言わずとも伝わる、ということでしょうか。
梅津:そういった部分がめちゃくちゃありますね。
ちなみに前作「解なし」では開場時から開演まで、劇場にお二人のトークが延々と流れていたのもすごく印象的でした。
橋本:その話、ちょうどこの間、伊勢丹の前辺りでしましたね(笑)。
梅津:会議がひとしきり終わって、駅まで歩く道の間で「そういえばさ、前回あれやってたけど、今回はどうしようか」と。というのも、あれは良くも悪くもあるなと感じていて。いい意味である種のプレゼントというか、開演を待っている間も楽しんでもらいたくて流していたんですが、あれによってある種、演劇では無くイベント的なもののように見えてしまったらもったいないなと思って。お客様がどう受け取られたかは気になっています。
僕はただ単に無駄な会話を聞くのが好きで、タランティーノがよくやるような、無駄な会話が妙に面白いみたいなことがやりたかっただけなんですけど。そういった理由から「今回は無くそうか」みたいなことは話していました。結果、どっちにするのかはまだ分からないですけど。(橋本に)どうしたい? あれから考えは変わりましたか?
橋本:いやいや。無くす方向でいいと思います。
梅津:……(インタビュアーに)どっちがいいと思いますか?(笑)
私は言式の表現の一部として、楽しんで拝聴していました。以前の取材で鳥越裕貴さんがおっしゃっていたのですが、座席について舞台装置を眺めたりパンフレットを読んだりしながら「これから何が行われるんだろう」とワクワクしながら開演を待つのが好きだと。そういった意味で、「言式はこう来たか」という新鮮なワクワク感を味わっていました。
橋本:なるほど。
梅津:それこそ舞台『マリオネットホテル』の打ち上げで(作・演出の)末満(健一)さんが「めちゃくちゃ演劇やってるじゃん!」って言ってくれたんです。僕らとしてはあくまでも演劇を、ちゃんとした芝居をやっているつもりで、それは「解なし」を観てくれた皆さんは重々承知だと思うんですが、でも初めて観る方に「これってバースデーイベント的なものの延長?」って思われるのは勿体無いなって。だったらバッサリ無くしてもいいよね、とは考えています。
橋本:そうですね。
梅津:でももしかしたら、公演が半分くらい終わった辺りから急にかかり出すかもしれない(笑)。
橋本:あははははは!
梅津:一応録っておいて、様子を見つつ流そうかな。その前の公演を観に来た人たちから大クレームですけどね(笑)。
そちらもどうなるかお楽しみに、ということで(笑)。お二人は個々の俳優活動も目覚ましいものがありますが、言式の公演を通じて各々の活動に影響はありましたか?
梅津:プロフィールに「言式」と書けるところですね(笑)。
橋本:(笑)。いや、でも本当にそうで。例えば一世代上の先輩方とお話しする時に、「演劇ユニット組んでるんですよ!」という話から会話がどんどん広がっていくんです。「え、どういうことをやってるの?」みたいな。だから言式のおかげでより自信がつきました。
梅津さんは劇団にも所属されていましたが、自ら立ち上げた言式にはまた特別なものがあるのではないでしょうか。
梅津:自分が所属していた劇団もそうだし、客演で劇団さんに出させてもらうこともあるんですが、良くも悪くも「劇団ってやっぱこうだよね」というのは、どこも変わんないですよね。そういう“劇団魂”みたいなものは、やっぱり言式でも引き継ぎたいなと思います。悪いところ、同じ轍は踏まないようにしつつ(笑)。
言式を始めたことによる影響か。自分が本当に「これおもろいよね」って思ったことを表現できる機会があるということは、何物にも代えがたいですね。今後もスケジュールが上手く噛み合って毎年公演を打てるのであれば、1年通して自分が色々と吸収して蓄えていったものを、彼と一緒に一つの“舞台”という形で出力できる。そう思うと無駄な時間なんて無いなって思えるし、毎日生きるのがちょっと楽しくなるなって思います。
橋本:うん。
梅津:この間、仕事で金沢に行っていたんですが、そのお仕事のプロデューサーに「言式、金沢で出来ませんか?」と言ったら「いいよ」って。
橋本:えーっ!? 嬉しい! やろう!
梅津:もしかしたらいつか。地方でも皆様が求めてくれるのであれば。ね。
橋本:うん、そうね。
梅津:「演劇祭に言式、出展」なんてことも。
橋本:それ、めちゃくちゃ熱いですよ。
配信があるとはいえ、やっぱり生で観たい地方在住の方々も多いと思います。
梅津:「解なし」のアーカイブ配信も残っていないので、「観たい」といった声もあるのですが。ちょっとどうにも、こればっかりは(笑)。何かの機会にまた配信するとか、そういうことは出来るかもしれない。
橋本:確かに。
梅津:「今回はやんないのかい!」って感じですけど(笑)。
※このインタビュー後に「解なし」アーカイブ再配信が決定しました(販売期間:2024年12月18日(水)23:59まで。購入日から10日間視聴可能)。
橋本:「或いは、ほら」も配信はありますよね。
梅津:最終日の29日だね。みんな年末の特番を観ずに、これを観ようと(笑)。
橋本:ほんまや(笑)。でも、あえて形に残さないというのもかっこいいけどね。
梅津:うん。ただやっぱり、何も僕ら言式を評価する手掛かりが無い中で、でも「こいつらがやるんだったら何か面白いものが観れるかも」と信頼して1回目の「解なし」を観てくれた人たちに対して、ある程度「ありがとう」の気持ちを表現したいというのがありまして、今回の「或いは、ほら」は「解なし」を観た人ならちょっとニヤリと出来る要素があるんです。
橋本:確かに!
梅津:無くてもいいくらいのエッセンスなんですけど。手塚治虫さんの漫画で、同じキャラクターが違う作品に出てきたりするじゃないですか。あれくらいのニヤリ感です。そういう意味では、「或いは、ほら」の前に前作の配信があった方が(笑)。
橋本:そうか。確かに開幕直前配信があった方が、より楽しめるね(笑)。
ちなみに年末公演ということで、橋本さんの誕生日が近いですね。
橋本:そうですね。でも誕生日は大晦日なので、公演が終わった後ですね。
梅津:でも絶対、公演中には僕らでお祝いすると思います(笑)。
橋本:でもそれなら、12月の稽古期間中に瑞樹くんの誕生日もいけるんじゃない?
梅津:あれ? 祥平その時もう合流してる?
橋本:あ、してないかな?
梅津:じゃあ俺一人で!?(笑) 一人の稽古場で、一人でお祝いするの!?
橋本:あっはっはっは!! だとしたら俺も一人で祝うよ(笑)。
梅津:あははははは!! いやおもろいな(笑)。それ特典映像にしましょう。一人きりのハッピーバースデー、両バージョン(笑)。おもろいね〜。
橋本:おもろいね〜(笑)。
information
言式「或いは、ほら」
【日程】2024年12月19日(木)〜12月29日(日)
【会場】東京・I’M A SHOW
【脚本・演出】梅津瑞樹
【出演】梅津瑞樹、橋本祥平
【チケット】
一般発売中
販売ページ
【配信】
2024年12月29日(日)12:30公演、17:30千秋楽公演
シアターコンプレックス
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梅津瑞樹 掲載
『Sparkle vol.55』発売中
内容:朗読CD『夜/読 耳蒐「銀河鉄道の夜」』
W表紙+巻末ロングインタビュー+コラム&撮り下ろしグラビア
巻末綴じ込み付録:ツヤツヤ厚紙ピンナップ
橋本祥平 掲載
『Sparkle vol.58』発売中
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内容:舞台「フルーツバスケット The Final」_草摩 夾 役
インタビュー+コラム&撮り下ろしグラビア
巻末綴じ込み付録:ツヤツヤ厚紙ピンナップ
credit
テキスト:田代大樹
撮影:平田景子
スタイリング:MASAYA(PLY)
ヘアメイク:北崎実莉、櫛引桃奈