【三井淳平】『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』Rule the Stage -New Encounter-【飴村 乱数 役 インタビュー】

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音楽原作キャラクターラッププロジェクト『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』の舞台化作品、『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』Rule the Stage -New Encounter- が東京・品川プリンスホテル ステラボールにて上演中だ(3月17日(日)まで同所にて、大阪公演は4月4日(木)~4月7日(日)にCOOL JAPAN PARK OSAKA WWホールにて)。
18名の新キャストから成る6ディビジョンが並び立つ、圧倒的なスケールで描かれる新たな物語は開幕から大熱狂を巻き起こしている。

「Sparkle web」ではシブヤ・ディビジョン“Fling Posse”より、飴村 乱数を演じる三井淳平にインタビュー。
大役にも怯まず「大ガマシできるようにやっていくしかない」と語る三井の本作に懸ける熱を存分に感じられる取材となった。

みつい・じゅんぺい
1997年10月9日生まれ、東京都出身。最近の主な出演作に、新ミュージカル「スタミュ」(星谷悠太 役)、ミュージカル「忍たま乱太郎」シリーズ(田村三木ヱ門 役)、「おそ松さん on STAGE ~SIX MEN’S SHOW TIME~2nd SEASON」(一松 役)、「ブラッククローバー the Stage」(ラック・ボルティア 役)など。2024年8月に新・喜劇「おそ松さん」(一松 役)への出演を控える。Twitter

interview

原作の『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』というコンテンツはご存知でしたか?

三井:もちろんです! 原作はもちろん舞台の方も拝見していましたし、「いつか出たいな」という気持ちがありました。

『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』Rule the Stage(以下、『ヒプステ』)をご覧になった感想は?

三井:何よりもコンテンツと舞台との親和性が高いな、すごく相性がいいなというのが第一印象です。ラップというコンテンツと舞台表現が合わさった時に、伝わってくる情報が役者のボディを通じてさらに増して、すごく素敵なステージになっているなと感じました。舞台の表現方法といえば歌や刀、殺陣などが代表的だと思いますが、ラップというのもこんなにも相性がいいんだなって思っていましたね。

2019年の第一弾公演『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』Rule the Stage -track.1- から今作に至るまで、全舞台作品の演出を手掛けているのが植木 豪さんですが、三井さんはご一緒するのは?

三井:初めましてですね。『ヒプステ』の他にも、豪さんが演出された「KYOTO SAMURAI BOYS」の公演も僕の友人が多く出演していたのもあって観ていました。豪さんもプレイヤーだからこそ、豪さんの演出はやっぱりフィジカルな表現方法、身体を通じたパフォーマンスが素晴らしいなと感じます。舞台って耳で聴いて目で観るものじゃないですか。豪さんの演出は目の喜び方が違うんです。画変わりや映像の迫力、そして役者の身体の表現などが相まって、総合芸術といえるものが豪さんの舞台にはあるなって思います。〝目が喜ぶ舞台〟ですね。

植木さんがダンスからキャリアをスタートしているからこそ、唯一無二のライブ感がありますよね。

三井:そうですよね。豪さんが元々ヒップホップシーンをずっと走ってきている人ですから。フィジカルでノンバーバルな表現というのは豪さんだからこその表現方法なのかもしれないなと感じます。

三井さんが演じる飴村 乱数についてはどのように捉えていますか?

三井:ポップでキュートで可愛い、そんな表向きの面と、人間臭い部分であったり、すごく大きなものを抱えている闇の面がありますよね。そういったところを隠しては見せ、隠しては見せみたいな表現をしていきたいなと思っています。自分もそういった闇を抱えているわけではないですが、彼の感情に共感しやすい部分があるとは思っていて。何というか、しんどいからこそ、深いものを抱えているからこそ、それが表の〝軽さ〟に繋がるというか。表裏一体だと思うんですよ。彼は自分のつらさを表に出すような人ではなくて、つらいって感じるからこそ明るく振る舞う、つらい部分を見せない人間だと思うので、そういったところはイメージしながら演じていきたいですね。

三井さん自身もネガティブな感情を表に出す方ではないですか?

三井:出さないです。ただそれは隠しているわけではなくて、「出してもしゃあないしな」っていう感じですかね。言っても仕方ないから「しんどい」とか「つらい」とか言わないようにしようって思ってるだけですね。

現在は稽古の真っ最中かと思いますが、感触はいかがですか?

三井:面白いことだらけですね。僕こういう、男の子たちがしのぎを削り合うみたいな現場が好きなので。座組としては『ヒプステ』というワンチームではあるんですけど、18人が6ディビジョンのチームにそれぞれ分かれていて、それこそ「ディビジョン・ラップバトル」ですから戦って勝利を手にしなきゃいけない同士なので、そういったところで「他のチームには負けないぞ」っていう、男の子ならではの意地みたいなものがどこか稽古場に漂っているような気がしていて。それは「他のチームに負けないぞ」という気持ちなのか、「お客さんを絶対驚かせてやるぞ」という闘志なのか分からないですけど、そういったものがメラメラ漂っています。好きですね、そういった現場は。

すでにディビジョンごとのカラーや特色といったものは見えてきていますか?

三井:カラーか……それでいうと自分のチームであるシブヤ・ディビジョン“Fling Posse”の二人、しゅんてぃー(夢野 幻太郎 役の今井俊斗)と泰勇(有栖川 帝統 役の木津谷泰勇)は明るいし、いいヤツだし、年も比較的近いので、よりこれからシブヤの〝色〟を出しやすくなるんじゃないかなっていうメンバーですね。

シブヤ・ディビジョンを作っていく上で話し合ったことなどはありますか?

三井:これは演出の豪さんも含めみんなで話していることなんですけど、シブヤ・ディビジョンは今作の中では比較的明るい部分を担当することが多いので、そこは極端に弾けていきたいなっていうことは話し合ってますね。そこでチームの色を見せていきたいなと。

その他に植木さんからかけられた言葉で印象的なものなどはありましたか?

三井:豪さんが『ヒプステ』に懸ける意気込みを伺ったのですが、自分もすごく感化されて熱くなったのを覚えています。何より「誰もやっていないことをしたい」ということをおっしゃっていて、「演劇業界って今すごく盛り上がっていて色々な作品があるけれども、やっぱりどこにも負けたくないし、まだどこもやっていない、お客さんを驚かせられるような公演にしたい」と。本当にこの公演で革命を起こせるような試みを色々していきたいし、お客さんに喜んでもらいたいからこそ、役者たちはこの1、2カ月間は稽古だけに集中してほしい、といったことをおっしゃってくださいましたね。なので、今は公演初日でドーンと爆発させるために息を潜めているというか。先ほども言ったように、みんなやっぱりライバルではありますけれども〝ワンチーム〟なので、全員が芝居とラップで繋いでいって、最後お客さんを驚かせられればなと思っています。

ラップについて、先日発表されたキャストコメントでは「これまで培ってきた事をマイクに全て込めたい」とおっしゃっていました。

三井:〝伝える〟ということを一番大事にしたいなと思います。『ヒプステ』ってラップとお芝居がグラデーションで繋がっているというか、ラップもお芝居であって、お芝居の中にもグルーヴがあって、という作品だと思うんです。セリフの一つ一つ、ラップの言葉一つ一つをちゃんとお客さんに届けたいなという気持ちです。

先ほども「豪さんの演出はフィジカルな表現方法、身体を通じたパフォーマンスが素晴らしい」とおっしゃっていたように、ダンスも『ヒプステ』の大きな魅力の一つです。三井さんはダンスもお得意ですが、飴村 乱数として踊ることについてはどうお考えですか?

三井:基本的に乱数はすごく可愛らしくて線が細いキャラクターなので、あんまりヒップホップテイストに寄せすぎるとちょっと乱数っぽくなくなってしまうかもしれないので、その辺はバランスよく調整していきたいですね。自分はヒップホップも通ってきた人間なんですけど、そこのノリみたいなものをダンスに全部出すかって言われたらそうじゃないかもしれないなと考えています。背丈も比較的小さいキャラクターなので、あんまり大きく踊りすぎても乱数っぽくないのかなって。とはいえキャピキャピはしていきたいですので、身体を小さく見せながらも大きく踊る。ちょっと矛盾しているようですが、そこのバランスを上手くついていきたいなと思っています。

ちなみに飴村 乱数以外で三井さんが特に気になるキャラクターはいらっしゃいますか?

三井:(伊弉冉)一二三くんや(四十物)十四くんは、乱数と似た感じで二面性があるので気になっていますね。彼らはみんながいる前でキャラクターがコロコロ変わったりするので、どっちかというとその二面性が表に出るタイプなんですけど。彼らの二面性を見ていると乱数 役の僕としてもちょっと感じる部分があって、「へー、こんな人間なんだ」って思うんですよね。共通点とまではいかないですけど、少しシンパシーみたいなものを感じるキャラクターたちですね。

キャストコメントでは「かねてより交流のある共演者も多い」とおっしゃっていました。今回は6ディビジョン集結ということで共演者も多いですが、特に気になる方は?

三井:山田 一郎 役の石川凌雅は、昔お互いにダンスボーカルグループをやっていた頃からの知り合いなんです。あの頃は凌雅も舞台作品には一本も出ていなかったし、僕も舞台を一本やったぐらいだったんですけど。その後、彼が舞台に出始めて演劇業界で活躍しているのを見て「いつかご一緒したいな」と思っていたからこそ、今回この『ヒプステ』という舞台で縁があったのはすごく嬉しいなって思います。でもそれを言うならリーダーズの6人は全員何かしら親交があるんですよ。共演経験がある子だったり。なので、この素敵なコンテンツで集まれたことには大きな嬉しさ、幸せを感じてますね。

山田 一郎とはストーリー上、今後大きく絡むこともありそうですね。

三井:そうですね、元々チームメイトだったということもありますし。キャラクターとしても絡めるのは嬉しいですね。

三井さんは先日、新ミュージカル「スタミュ」(2024年1月〜2月上演)で初の座長を務めましたが、振り返るとどんな経験になりましたか?

三井:そうですね……やっぱり主人公ということもあり、公演が2時間40分くらいあったら2時間半くらいは舞台上に出ていたので、初めて体験する歌とセリフの分量でした。それだけ労力がかかる役も初めてだったので、嬉しい疲労というか達成感みたいなものがすごくあって、「あ、自分もできるんだ」ってようやく一つ自信を持てた気がします。自分は今まで、すごく素敵な人たちが座長として輝く姿を横で見ていて「自分もああなりたいな」、「ここは見習おう」と自分の理想の〝座長像〟みたいなものを思い描いていたんです。一応、自分の中ではそれは達成できたかなって思っていて。今回、正直やりきれるか不安ではあったんです。でも無事に全公演終えられたということで、一つ安心感がありましたね。

ちなみに三井さんが理想としてきた座長の方はどなたですか?

三井:いや、もう全員です。最近の舞台で言えば、直近の「ブラッククローバー the Stage」(2023年)という舞台で共演した植田圭輔さんはやっぱりすごい人でした。植さんから学んだことは、どれだけしんどくても、どれだけ身体が疲れようとも、周りに「きつい」とか「疲れた」、「やばい」といったことを一切言わない。座長として凛と立つ姿を見せるというところですね。「ブラッククローバー」は本当に植さんがすごい殺陣をする舞台だったんですよ。僕もアクションが多いキャラクターだったんですけど、「いや、この程度で『ちょっとしんどい』とか『立てません』とか言ってらんないな」って、植さんの背中にすごく感銘を受けていました。
演劇調異譚「xxxHOLiC」-續-(2023年)では太田基裕さんと阪本奨悟くんの技術に圧倒されましたし、アグレッシブ ダンス ステージ『DEAR BOYS』(2023年)というバスケの作品に出た時は、年下なんですけど新ちゃん(新 正俊)から明るさとかコミュニケーションの大切さを学びましたね。みんなとコミュニケーションをとって、ずっと笑顔でいて、そんな座長が素敵だなって思ったり。そういった見習うべきところが皆さんにあったので、盗ませていただこうとしていました。

そういった要素を新ミュージカル「スタミュ」で活かすことができた。

三井:そうですね、自分が座長を務める時はその素敵な人たちから得たものを全部自分の中で形にしようって思っていたので、自分の中ではその目標は達成できたかなと思ってます。

今回は座長という形とはちょっと異なりますが、ディビジョンのリーダーとしてその経験を活かせそうなところはありますか?

三井:先ほどの座長の話で付け加えるとしたら、全体を見る、視野を広く持つ、という要素も座長には必要だと思っていまして。今回はリーダーとして、しゅんてぃーと泰勇を見ていきたいなと思っています。二人ともめちゃめちゃ素敵な役者さんで表現者ではありますが、きっとそれぞれにすごく得意な部分と実はちょっと苦手にしている部分があると思っていて。自分には及ばないようなスキルを持ってる子たちではあるのですが、きっと舞台の経験で言えば自分が一番長いと思うので、そういった経験の部分でちょっとサポートしつつ得意な部分を伸ばしていく、ということがチームでできればいいかなって思ってますね。

その他、『ヒプステ』で個人的に楽しみにしていることはありますか?

三井:やっぱりバトルですね。これまでの『ヒプステ』でも皆さんがバトルを通じてお互いにどんどん高め合って、お客さんもその熱に押されて『ヒプステ』自体がどんどん熱量を増していく、そういった形が側から観ている僕らにも伝わっていたので、自分らもやっぱりバチバチなバトルをしたいですね。自分も男の子で負けず嫌いな部分がある人間なので、先駆けとなる今回のステージを一緒に作っていった仲間たちと、今度はバトルをするフェーズに移っていって、そこでより熱い戦いを繰り広げて仲を深めていければなって思っていますね。

『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』は原作もステージも幅広い方々に愛されているコンテンツだと思いますが、本番を控えた今、プレッシャーは感じていますか?

三井:そうですね……きっとプレッシャーはあるんでしょうけど、あんまり感じないようにしているというか、「もう、やることをやるだけだ」という思いです。今はもう観てくださる方々に恩を返す意味でも稽古に全集中して、初日に少しでもいい作品を届けられるように、自信を持って少しでも大ガマシできるようにやっていくしかないなって思います。もちろん先代の方々へのリスペクトの気持ちはものすごくあるんですけど、同時に「俺らが作る『ヒプステ』も最強だ」という気持ちも持っていたい。決して喧嘩を売る意味ではなく、きっと『ヒプステ』をやってきた皆さんだったら、後輩がそう言ってくれる方が喜んでくれるんじゃないかな、リスペクトになるんじゃないかなと思っていて。超える気持ちで頑張ります。

information

『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』Rule the Stage -New Encounter-

【日程】2024年3月1日(金)~3月17日(日)
【会場】東京・品川プリンスホテル ステラボール
【日程】4月4日(木)~4月7日(日)
【会場】大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA WWホール

【原作】EVIL LINE RECORDS
【演出】植木 豪
【脚本】亀田真二郎
【音楽監督】KEN THE 390
【テーマソング】井手コウジ

【出演】
イケブクロ・ディビジョン“Buster Bros!!!”
山田 一郎 役:石川凌雅
山田 二郎 役:松岡拳紀介
山田 三郎 役:高野渉聖

ヨコハマ・ディビジョン“MAD TRIGGER CREW”
碧棺 左馬刻 役:植原卓也
入間 銃兎 役:YUKI
毒島 メイソン 理鶯 役:益永拓弥

シブヤ・ディビジョン“Fling Posse”
飴村 乱数 役:三井淳平
夢野 幻太郎 役:今井俊斗
有栖川 帝統 役:木津谷泰勇

シンジュク・ディビジョン“麻天狼”
神宮寺 寂雷 役:小波津亜廉
伊弉冉 一二三 役:安藤夢叶
観音坂 独歩 役:中下雄貴

オオサカ・ディビジョン“どついたれ本舗”
白膠木 簓 役:北出流星
躑躅森 盧笙:飯田寅義
天谷奴 零 役:喜史川大私

ナゴヤ・ディビジョン“Bad Ass Temple”
波羅夷 空却 役:中西智也
四十物 十四 役:酒寄楓太
天国 獄 役:中塚皓平

ディビジョン・ダンス・バトル“D.D.B”
RYO、SHINSUKE、HILOMU、Dolton、KENTA、GeN、KIMUTAKU、SOUTA

※3月9日(土)13:00/18:00公演はSOUTAの出演はございません。
※3月9日(土)13:00/18:00公演は神谷亮太が出演いたします。

【チケット】
チケットぴあ

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テキスト:田代大樹

©『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』Rule the Stage 製作委員会

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