【樫澤優太】『ダイヤのA』The MUSICAL【グラビア&インタビュー】

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当初2020年6月に上演を予定しつつも、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け公演中止となっていた『ダイヤのA』The MUSICAL(以下、『ダイミュ』)が2022年10月10日(月・祝)まで上演中。
本公演では2020年に制作されていた脚本や楽曲を、2年の時を経てブラッシュアップ。芝居・歌・ダンス、全てにおいてさらに熱量高く、白熱のステージが繰り広げられる。

Sparkle webでは怪物投手・降谷 暁を演じる樫澤優太に単独インタビュー。中学生の頃から原作ファンの彼が語る『ダイヤのA』や降谷の魅力、2年前の公演中止時に抱いた想い、沢村栄純 役の糸川耀士郎や御幸一也 役の小波津亜廉との関係性。さらには自身が所属するダンス&ボーカルグループ「IVVY」の近況についても伺った。

かしざわ・ゆうた
1994年1月24日生まれ、長崎県出身。最近の主な出演作に、ミュージカル『新テニスの王子様』The Second Stage(君島育斗 役)、短編映画『眉間に包丁を刺した春』(堀口慎平 役)、ドラマ「ハンサムセンキョ」(曽良・ユリウス 役)など。ダンス&ボーカルグループ「IVVY」のメンバー(YU-TA)。Twitter

interview

原作の漫画は元々ご存知でしたか?

樫澤:はい、『ダイヤのA』との出会いは中学生の時でした。父親が単行本を買ってきたのがきっかけです。当時はまだ携帯電話とかも持ってなくて、楽しいコンテンツというものは漫画やアニメだったんですよね。なので『ダイヤのA』もたまたま家にあったから手に取ったら、第一話で「え!? これすっごい面白いじゃん」って引き込まれて、そこから父親が続きを買ってくるたびに読んでました。

お父様共々作品のファンだったんですね。

樫澤2年前の中止公演の時に『ダイミュ』をやらせていただくと決まった時に、一番最初に報告したのは両親でした。僕自身も本当にものすごく嬉しかったんですけど、「まさかあの頃、たまたま自分が趣味で読んでいたものに息子が出るなんて!」という、僕以上のリアクションをしてくれましたね(笑)。
でもそれは僕も同じような感覚で、自分が子供の頃から読んできたものに携わらせていただけるって、こんな光栄なことはないなと心から思います。

原作のどの辺りの要素に魅力を感じていたのでしょうか?

樫澤僕自身、小学校ではソフトボール部、中学校では野球部だったので、読みながら自分の理想像とリンクさせたりしてました。部活中や登校中にピッチングやフォームを真似してみたり。あ、ポジションはサードだったんですけど、ピッチャーにすごく憧れていたんです(笑)。あとは練習に対するスタイルとかもすごく真似してましたね。

当時好きだったキャラクターは?

樫澤これは嘘でもなんでもなく、当時からすごく降谷が好きで! どちらかというと、自分の闘争心とかをあまり表に出さないタイプなんですよ。ただ内に秘めている熱量は正直、誰にも負けないというか。心の中に虎を飼っているみたいな感じで、こう「俺が俺が」というよりは最終的に結果でねじ伏せていく。そういう部分がすごく好きで、ずっと「降谷かっこいいな、こういう人になりたいな」って思って見てましたね。

今作で降谷になれましたね。

樫澤いや! 自分から「なれた」って言うのはあれですから、これはもう皆さんに判断していただこうと! はい(笑)。

樫澤さんは2022年1〜2月のミュージカル『新テニスの王子様』The Second Stage(君島育斗 役)に続き、2作目の舞台になるかと思います。

樫澤そうですね。本来であればこの『ダイミュ』が一番最初の舞台になる予定だったんですが、先に『新テニミュ』の舞台に立つことになりました。でも『新テニミュ』で学ばせていただけたことが本当にすごく多かったんですよ。右も左も分からない状態でこんなに大きなミュージカル作品に参加させていただけて、本当に毎日が刺激的で得るものばかりでした。
もちろん2年前の中止時はとても悔しかったんですけど、それを踏まえた上で今回『ダイミュ』に戻ってこられたっていうのがすごく良かったなと思っていて。もし一番最初の出演作が『ダイミュ』だったとしたら、多分自分の技量も分からずにただただ全力で毎日を突っ走って、もしかすると空回りしていたかもしれないですし、自分が今できるパフォーマンスができていなかったかもしれない。でもこの2年という期間でたくさん勉強させていただいたので、自分ができるものを全てここに懸けて出そうという気で、今回も挑ませていただきます。

本作の主人公で、降谷とは同ポジションのライバルでもある沢村栄純 役の糸川耀士郎さんとはどのような関係性ですか?

樫澤ちょうど2年前に取材で一緒にお話をしたのが初めてで、そこから久しぶりの再会を果たしたのが本作の事前稽古でした。2年という会えない期間はあったんですけど、初日にしてもうその2年分の期間は埋まったような感じがしましたね。同い年というのもあって壁みたいなものは無く、すっとお互いが仲良くなれたなっていう印象です。

ちなみにその事前稽古ではどのようなことを?

樫澤プロの野球講師の方に直接ご指導いただいて、動作から実践的な野球のルールまで全てを教わりました。各ポジションごとではあるんですけど、キャラクターに寄せつつもプロ目線からの指導をしっかりしていただき、お芝居の勉強にもなりましたね。僕自身シンプルに野球が大好きなので、ちょっとそういうところで熱が入っちゃったりとかして。改めて「ピッチャーってこうやってやるんだな」とか、とても勉強になりました。

樫澤さんは野球経験者ということで、演じられる降谷のフォームと、これまで培ってきたご自身のフォームとのズレなどは無かったのでしょうか?

樫澤ありました。やっぱりこれまでやっていた分、自分のクセがついてしまっていたので、最初はそれを削る作業を意識しましたね。事前稽古の前に、鏡の前で自分のクセをなるべく除去していって、それから降谷のフォームを取り入れるという作業をしていきました。

キャッチャー・御幸一也 役の小波津亜廉さんとはいかがですか?

樫澤役の関係でも先輩後輩で、実際にも僕の方が年下なのでお兄ちゃんみたいな感じなんですけど、話している時にも優しい雰囲気がすごく出ていて、そこにいい意味で甘えながら接しています。役の関係性と生身の人間の関係性って結構リンクするところがあるのかなと思っていて。これからどんどんお芝居を通して、そしてお芝居以外での人間的な関係性もしっかりそこにリンクさせていけば、もっともっといいものが相乗効果で生まれるのかなと思って、すごく楽しみです。

樫澤さんは初対面の方でも自分からコミュニケーションを取っていくタイプですか?

樫澤あの〜……根っこはすごく人見知りなんですよ。もう本当にプライベートでは全然ダメなんですけど、やっぱりこういう大所帯の場所ってなるべく先に相手の心の扉を開いたもん勝ちかなと思っていて。本当はそういうの苦手だったりするんですけど、そこはもう「これは最初だけだ」と思ってます。ガチャって開けて一回仲良くなってしまえばもう絶対楽しいので、最初はなるべく自分から行くようにしています。

でも、それこそ野球もそうですし、高校3年時にはフィールドホッケーでインターハイに出場された経験もある樫澤さん。そういったチームプレイの時も、初めは人見知りだったんですか? 

樫澤なぜか分からないんですけど、学生の時はあまり人見知りじゃなかったんですよね。この世界に入ったら、周りのみんなすごいオーラがありますし、雰囲気あるんで声を掛けに行きにくいというか(笑)。学生の時は同じ学校、同じクラスっていうだけで勝手に仲良くなれるじゃないですか。ただ自分もこの世界に入っといてこれ言うのもあれですけど、「うわ、芸能人だなみんな……!」みたいに思うと圧倒されて行けないなって(笑)。でも頑張って自分から行くようにしてますね。

チームと言えば樫澤さんはダンス&ボーカルグループ「IVVY」でボーカリストとしても活動してらっしゃいますが、ミュージカルで役として歌うのとはやはり違う感覚なのでしょうか?

樫澤“届ける”という意味では共通していて、来てくださるお客様に楽しんでいただいて、また1日、頑張ってもらえる活力を届けるというのは同じなんですけど……なんて言うんですかね、IVVYとしての自分とお芝居をしている時の自分って、結構自分の中では別の生き物だなと思っていて。
アーティストの場合だとシナリオやストーリーというものは無く、突発的なパフォーマンスもあったりするんですけど、お芝居の場合は人から頂いたバトンを次に渡していくっていう、この前後の流れがすごく大事になってくると思うんです。普段アーティストとしてやっている自分をお芝居の方に持ってきてしまうと流れも悪くなってしまうし、逆にお芝居の自分をアーティストのステージに持っていくと、またそこには違和感があったり。自分の中で意識的に線を引いているわけではないんですけど、同じステージの上とはいえ、自分としては“違う生き物”としてやっているような感覚です。

IVVYは今年2022年から新メンバーが入り、7人体制となりました。

樫澤そうですね。こういった“ちゃんとした後輩”ができたのはIVVYをやっていて初めてなんですよ。既存メンバーも細かく言うと一人ずつ加入していった経緯はあるんですけど、ちゃんと新メンバーと既存メンバーで分かれたのは今回が初めてでして。
新しい子たちから学ばせていただくことはすごく多くて、既存メンバーだからといってあぐらをかいているようでは吸収できないなと思いますし、チームとして絶対上に行けないと思うので、なるべく新しい子たちの意見を尊重していく場面を作るようにしています。それで何か自分が当たり前だと思っていたものとか、固定概念というものがいい意味で崩されて「ああなるほど、こういう考えもあるんだな」と。
そうやってIVVYで新しく発見できたものを、こういう自分のお芝居にいいところだけ持ってこられたりとかも、実際に結構できているんですよ。例えばIVVYの新メンバーはオーディションで選んだんですけど、既存メンバーで審査員をやらせていただいたんです。合格した3人のパフォーマンスを見た時に「自分が逆にオーディションを受ける立場だったら、こういうパフォーマンスをすれば審査員は取りたくなるんだな」というのを感じて。その後に僕も別のオーディションを受けさせていただいたんですけど、しっかりそれはお仕事に繋がったので、彼らにもすごく感謝してます。やっぱり貪欲さだったり、熱量が強い人に人は惹かれるんだなって感じましたね。

人数も増え、フォーメーション等も変わりましたね。

樫澤だいぶ変わりましたね。なので一つのパートに対する想いはやっぱり今まで以上にありますし、5人から7人になってパフォーマンス力も上がりました。新メンバーもすごくスキルの高い子たちに入っていただいたので、チームとして全体的に層が厚くなったのかなというのは感じますね。

ありがとうございます。IVVYの今後の活動にも期待が高まりますし、『ダイミュ』2年越しの上演も楽しみです。

樫澤自分が本当に大好きな作品に携わらせていただけるということで、2年前の中止が決まった時は正直、自分の中でも目の前が真っ暗になり、すごく孤独を感じていました。でも、あの時にこの道を諦めなくて良かったなと今すごく感じています。やっぱり、当たり前が当たり前じゃない。なので来てくださることも当たり前のことではないですし、こういう情勢だからこそ、今回の『ダイミュ』もIVVYのライブも、足を運んでくださる方、その行動を絶対に裏切りたくないなって思います。これからも全力で自分の魂を込めて、その時間と空間を届けるので、ぜひ期待していてほしいですね。

information

『ダイヤのA』The MUSICAL

【日程】2022年9月30日(金)~10月10日(月・祝)
【会場】東京・天王洲 銀河劇場

【原作】寺嶋裕二『ダイヤのA』(講談社「週刊少年マガジンKC」刊)
【演出・脚本】山崎 彬

【出演】
沢村栄純 役:糸川耀士郎
降谷 暁 役:樫澤優太
御幸一也 役:小波津亜廉

小湊春市 役:阿部大地
倉持洋一 役:北澤優駿
小湊亮介 役:廣野凌大
滝川・クリス・優 役:百成 瑛
結城哲也 役:田鶴翔吾
伊佐敷 純 役:末野卓磨
丹波光一郎 役:武藤賢人
増子 透 役:皇希

財前直行 役:高田 舟
東 清国 役:吉田英成
高島 礼 役:岩井七世
片岡鉄心 役:横山真史

アンサンブル:
島野知也、川鍋知記、東 元堵、速川大弥、前川大都

【チケット】
ローソンチケット
銀河劇場チケットセンター

【配信】
10月10日(月・祝)13:00公演(千秋楽)
詳細ページ

www.marv.jp/special/diaace_musical
Twitter

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※応募締切:2022年10月17日(月)23:59まで

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テキスト・写真(公演写真除く):田代大樹
スタイリング:MASAYA
ヘアメイク:望月 光

©寺嶋裕二・講談社/「ダイヤのA」The MUSICAL 製作委員会

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