2019年、衝撃の舞台化を果たした「DRAMAtical Murder」が3年半の時を経て、脳内クラッシュ演劇「DRAMAtical Murder」フラッシュバック として再演!
演出を務めるのは初演に引き続き中屋敷法仁。
本作をこよなく愛する中屋敷のソロインタビューをお届けする。
さらにSparkle webでは、主人公・蒼葉に扮する土屋直武のソロインタビューと、土屋・中屋敷による特別対談、そして稽古場をお借りして敢行した貴重な撮り下ろしグラビアを、計3本立てで一挙掲載!
interview
BLゲーム原作を舞台化するということで、初演が発表された時はかなり衝撃が走った記憶です。まず本作を制作するに当たって、中屋敷さんがどんなことを考えられたのかをお伺いしたいです。
中屋敷:“BL作品である”ということ、“ゲーム原作”だということ、まずその二つのポイントがありました。BLという題材もそうですし、とても繊細な作りをしている作品ですので、それをどういう風に大きな劇場で伝えようかなとすごく悩みました。ゲームというのは主人公に自分を投影しながら楽しむもの、味わっていくものなので、お芝居としてどういう風に制作するべきか、その二つをポイントにしなきゃなと思っていました。
ただ、蓋を開けてみたら(原作ゲームでシナリオを担当している)淵井 鏑先生のシナリオが素晴らしくて。まずお話が面白い、そしてキャラクターがとても魅力的な作品で、そこであまり“BLだ!”、“ゲームだ!”ということは考えずに作っていこうという方針になっていたと思います。なので、このメンバーで「DRAMAtical Murder」の世界に入り込めることを喜び、楽しみながら作ることができればいいなと思っていました。
舞台版オリジナルのダンスシーンなど、印象的な演出も多かったです。
中屋敷:ありがとうございます。やっぱりやるからには舞台ならではのスペシャルなものを、ということで色々考えました。ゲームやアニメ、テキストには無かったものを届けたかったので、ダンスなど身体を使ったもので表現していきましたね。
さらに“キャラ別ルート分岐”というすごく大変なクリエイトを、初演時も今作でもされています。この作りは、ゲーム原作の舞台ならではだと感じました。
中屋敷:様々なルートの分岐があり、この作品を1本の舞台にするとなった時、“どういうシナリオにまとめるか”ということを一番最初に悩んだ気がします。脚本の打ち合わせで、誰かが5ルート全部やろうと言い出して……ビックリですよね?(笑) 覚えてないけど、僕が言ったのかな?(笑) うん、きっと僕が言ったんでしょうね!
1本の舞台にまとめるよりも、せっかくなので様々なルートに分岐するという“ゲームならでは”のエンターテインメント性みたいなものを表現できたら面白いなと思ったんです。なので、打ち合わせで話に上がった時みんなで「ぜひやりたい!」となった気がします。各ルートごとに分岐したストーリーを描くことで、キャラクターの掘り下げなどもそうですが、それぞれの物語を丁寧に描けたと思います。
本誌『Sparkle vol.52』の永田聖一朗さんと山﨑晶吾さんの対談で「中屋敷さんのBLへの解像度が、前回から変化しているはず」というお話がありました。そこについてはいかがですか?
中屋敷:僕、BLのことになるとついケンカ腰になっちゃうんですけど(笑)。誤解なく聞いていただきたいのですが、僕は“BL”を作品の要素だと思ってはいけないと思うんです。昨今いろんな形でBLの要素がある、風味がある、テイストが含まれたような作品も生まれていると思うんですけど、BLはやっぱり物語の土台になるものだし、作品の背骨や芯になるものであるべきだと思っています。
この「DRAMAtical Murder」についても、ゲームをやればやるほど、BLという世界観の中で様々な物語が展開することが、作品の素晴らしさを生んでいるんだと気付きました。
アクセサリーやファッションにせず、物語の芯として描いている。
中屋敷:ただ、僕の中でも“BLをこう描こう”みたいなことに対してどんどん解像度が細かくなっているというよりは、実は荒くなっている気がしていて(笑)。“これぞBL”とか、“こうしないとBLにならない”みたいな、そういうつまらない話にはしたくなくて。BLというものをちゃんと感じられる作品になるといいなと思って作っていますね。
さらに初演時のエピソードとして、蓮ルートに急遽キスシーンが追加されたというお話も。そういった部分にも中屋敷さんの解釈、作品への捉え方があったのかなと感じました。
中屋敷:恋愛モノなので、恋愛しない時間やプロセスも大事かなと思っていたんですけど、やっぱり最後の最後には、お互いの愛情や思いやりみたいなものがぶつかる瞬間があったらいいなと思っていました。特にこの作品はお話が複雑で、ついあちこちに思考が飛んでしまうから、稽古中に何度も“忘れていたモノ”に気付かされました。
そういう中で、ふと「キスシーンが無いなぁ」とか、「もう少しここはときめきたいなぁ」みたいなことを言いながら稽古を進めていたような気がします。
稽古場ではいろんなところから中屋敷さんの叫び声が聞こえたと(笑)。
中屋敷:あははっ。前回はそうでしたね。やっぱりみんなと初めてこの作品を作るので、いろんな角度から見たりしている中でいろんな発見があったんです。
今回は「フラッシュバック」という名前をつけていますけど、再上演なので、新たに要素を増やすというよりは、“前回どこが一番僕たちの胸を打ったのか”みたいなところを探っていくようなイメージで制作しています。
改めて作品を振り返りながらブラッシュアップし、さらに深掘りしていくような。
中屋敷:あまり細かいことよりは、もっと大きなこと……「DRAMAtical Murder」の“核”みたいなものを掴めるといいなと思っていますね。
初演からの続投キャストが半数ほど占めていることも強みですね。
中屋敷:そうなんですよ。初演からのメンバーにとても助けられている部分は大きいですね。やっぱり皆さんのキャラクターの作り方もそうですし、ドラマダ(「DRAMAtical Murder」の略)の世界観についてどう思っているかなど、経験値がそのまま再演のステージに積み重なっているので、それで引っ張っていってもらっていますね。とても充実した現場になっています。
information
脳内クラッシュ演劇「DRAMAtical Murder」フラッシュバック
【日程】2023年4月28日(金)~5月7日(日)
【会場】東京・品川プリンスホテル ステラボール
【原作】ニトロキラル
【演出】中屋敷法仁
【脚本】内田裕基
【出演】
蒼葉 役:土屋直武/
紅雀 役:小波津亜廉
ノイズ 役:富園力也
ミンク 役:八巻貴紀
クリア 役:山縣悠己/
ウイルス 役:富永勇也
トリップ 役:磯野 大
ミズキ 役:岩城直弥
悪島 役:牧田哲也/
蓮/セイ 役:山﨑晶吾
大石 樹、岡村 樹、神田初音ファレル、山中啓伍
【チケット】
チケットぴあ
【配信】
5月4日(木・祝)18:00公演(ミンク)
5月5日(金・祝)13:00公演(クリア)
5月6日(土)13:00公演(ウイルス&トリップ)
5月6日(土)18:00公演(紅雀)
5月7日(日)13:00公演(ノイズ)
5月7日(日)18:00公演(蓮)
詳細:DMM TV
www.nelke.co.jp/stage/dmmd_stage2023
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土屋直武さんのサイン入りチェキを3名様にプレゼント
応募方法:
①Sparkle公式Twitterをフォロー
②対象ツイートをリツイート
※応募締切:2023年5月13日(土)23:59まで
※当選された方にのみ、Twitterのダイレクトメッセージ(DM)にて、Sparkle公式アカウント(@Sparkle_stage)よりご連絡いたします。当選者の発表はDMをもって代えさせていただきます。
※プレゼント発送に必要な情報はDM上のみでお伺いします。応募フォームへの誘導と称してURLをクリックさせるようなことはございません。
※頂いた個人情報は、プレゼント発送以外の目的では使用いたしません。
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蒼葉 役:永田聖一朗、蓮/セイ 役:山﨑晶吾 掲載
『Sparkle vol.52』発売中
※永田聖一朗さんは体調不良のため、やむを得ず降板することとなりました
内容:【永田聖一朗・山﨑晶吾(脳内クラッシュ演劇「DRAMAtical Murder」フラッシュバック)】
W表紙+本文15ページ(対談インタビュー+コラム&撮り下ろしグラビア)
+巻末綴じ込み付録:永田聖一朗・山﨑晶吾ツヤツヤ厚紙ソロピンナップ
credit
テキスト:田中莉奈
写真:田代大樹
ヘアメイク:小竹珠代
©2012 NITRO ORIGIN
©脳内クラッシュ演劇「DRAMAtical Murder」製作委員会