2017年〜2024年に「ヤングマガジン」(講談社)にて連載された、原作:山川直輝、作画:朝基まさしによるクライム・サスペンス漫画『マイホームヒーロー』が舞台化。
2025年11月13日(木)~ 11月24日(月・祝)、東京・品川プリンスホテル クラブeXにて上演される。
Sparkle別冊『Sparkle Annex vol.02』では、しがない会社員でありながら家族のために殺人に手を染める鳥栖哲雄を演じる鈴木拡樹と、彼と対峙する半グレ実行部隊のリーダー格・間島恭一を演じる阪本奨悟による対談インタビューを掲載。
印象的なビジュアル撮影の舞台裏から、それぞれが抱くキャラクターへの想い、そして“人を殺す”という行為を演じることについて――。シリアスな話題から、思わず笑みが溢れるエピソードまで、たっぷりと語っていただいた。
以下、インタビューより一部を抜粋してお届けする。

1985年6月4日生まれ、大阪府出身。最近の主な出演作に、舞台『学芸員 鎌目志万とダ・ヴィンチ・ノート』(鎌目志万 役)、2025年劇団☆新感線45周年興行・初夏公演 いのうえ歌舞伎【譚】Retrospective『紅鬼物語』(源 蒼 役)、東映ムビ×ステ「死神遣いの事件帖–」(久坂幻士郎 役)など。2026年1月9日より、舞台「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」(鬼太郎の父 役)への出演を控える。X(Twitter)
(写真右)さかもと・しょうご
1993年6月13日生まれ、兵庫県出身。最近の主な出演作に、ミュージカル『刀剣乱舞』シリーズ(堀川国広 役)、ドラマ「君とゆきて咲く 〜新選組青春録〜」(土方歳三 役)、演劇調異譚「xxxHOLiC」 -續・再-(四月一日君尋 役)、など。X(Twitter)
interview
クライム・サスペンス漫画『マイホームヒーロー』が鈴木拡樹主演で舞台化される。反抗期の娘・零花のために人を殺した鳥栖哲雄が、裏社会の猛者たちを相手に奮闘する、シリアスだが心揺さぶられる物語だ。
鈴木と、鈴木演じる哲雄と敵対する半グレ実行部隊リーダー格の青年・間島恭一 役の阪本奨悟に、本作について聞いた。
鈴木さんは鳥栖哲雄をどのように演じたいと思っていますか?
鈴木 どんなに猟奇的な殺人犯だとしても、演じる本人だけは肯定してあげなきゃいけない。そういう点では、哲雄は筋は立てやすいなと思っています。
あとは、お客さんにいかに納得してもらえるか、ですね。この原作のすごさって、哲雄はこんなにひどいことをしているのに、主役で居続けられている、共感を得られ続けられていることだと思うんです。そのからくり、その理由を探していければと思っています。単純に飄々としているからだけではない気がしていて。それを探していく稽古期間になるかなと思います。
阪本さんは間島恭一をどのような人物だと捉えていますか?
阪本 恭一の人格を左右する大きな出来事として、父親の一件がある。そんな悲しいことを起こさないために、強くなることを選んだ人だと思うので、悲しさを背負っているというところが一番大きなポイントなのかなと思います。それを打破するために悪に染まっていってしまうのは悲しいんですけど……。でも家族思いで、母親と一緒に店を持ちたいと思っているところなんかは人間らしいなと思っています。
最初にこのお話を頂いた時に、僕が半グレを演じていいのかなって、ちょっと不安も感じていたんです。でも読み進めていくと父親や母親のエピソードも出てきて「これは確かに共感できるな」と。もちろんやっていることはすごく残酷ですけど、理由は明確だから、僕もそれにちゃんと共感して嘘無く演じていけたらいいなと、今は思っています。
今作で楽しみなことはありますか?
鈴木 そもそもこの作品、お客さんはどう受け取って終わるんだろう。分からないので、そこは楽しみですね。かなりインパクトがある作品ではあると思うので、見終わった後、どういう感じになるんだろう。しんと静まり返って終わるのかな。そしたら無理にカーテンコールで拍手しなくても大丈夫ですよって思う。拍手をせずに「重かったね」って深く深呼吸をしている人がいてもいいと思うし。
僕個人的には、笑顔で帰ってもらえる作品が好きなんですけど、そればっかりやっていてもお客さんには同じ体験しか味わってもらえないので、こういう痛烈に心に残るような作品もやることで、いろんな感情を持って帰ることが出来るという、舞台の楽しさを知ってもらえる気がしてやりがいを感じます。だから、重たい気持ちにはなると思いますが、その醍醐味を味わっていただきたいなと思っています。
阪本 今回、劇場の作りが特殊らしく、物理的にいろんな角度から役者が出てくるなど演出も面白いことになりそうで。この作品ってそもそも場面が次々と入れ替わるじゃないですか。家になったり、現場になったり。そういう場面展開も舞台ならではの見せ方になると思うので、そこはどう表現していくのか楽しみですね。それこそお客さんの隣で殺人が起きるかもしれない。そういう緊迫感みたいなものをより感じていただける作品になるのかなと思うので、緊張感は大事にできたらいいなと思っています。
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この続きは『Sparkle Annex vol.02』にてお楽しみください。
information
舞台『マイホームヒーロー』
[東京]2025年11月13日(木)〜11月24日(月・祝)@品川プリンスホテル クラブeX
原作:山川直輝 作画:朝基まさし『マイホームヒーロー』(講談社「ヤングマガジン」所載)
演出:加古臨王
脚本:月森 葵
出演:鈴木拡樹、阪本奨悟、天華えま、佐當友莉亜、久保田秀敏、髙木 俊 他
公式サイト
X(Twitter)
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鈴木拡樹×阪本奨悟 掲載
『Sparkle Annex vol.02』2025年11月4日発売

舞台『マイホームヒーロー』
インタビュー+コラム&撮り下ろしグラビア
credit
テキスト:小林千絵
撮影:福井麻衣子
スタイリング:中村美保
ヘアメイク:AKI、瀬戸口清香
衣装協力=
[鈴木]ストライプシャツ:Royall ¥34,100(Unscramble 03-4361-8562)
ボウタイシャツ:スタイリスト私物
パンツ:Wizzard ¥36,300(TEENY RANCH 03-6812-9341)
靴:ONE THIRD RESEARCH/JOYEUX ¥38,500(JOYEUX 03-4361-4464)
[阪本]ジャケット:スタイリスト私物
シャツ:meagratia ¥30,800(TEENY RANCH 03-6812-9341)
パンツ:PROPA9ANDA ¥29,700(Unscramble 03-4361-8562)
靴:ONE THIRD RESEARCH/JOYEUX ¥28,600(JOYEUX 03-4361-4464)
©︎山川直輝・朝基まさし・講談社/舞台『マイホームヒーロー』製作委員会
