【眞嶋秀斗×前田隆太朗×坪倉康晴】ミュージカル「ざんねんないきもの事典~いきものたちの逆襲〜」【インタビュー+ステージ写真】

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シリーズ累計発行部数470万部突破、25万人が選んだ最強の本「こども本総選挙」にて3年連続上位に選ばれた大人気児童書『ざんねんないきもの事典』がまさかの舞台化!
ざんねんだけど、おもしろくってタメになる、客席を巻き込んで楽しめる“ざんねん系おもタメミュージカル”として、8月18日から28日まで東京・池袋にて上演される。

Sparkle webでは主演を務める眞嶋秀斗と、脇を固める前田隆太朗、坪倉康晴にインタビュー。稽古も終盤を迎え、いよいよ見えてきた“ざんねん系おもタメミュージカル”の全貌について語ってもらった。子供から大人まで楽しめる本作で、この夏一番の思い出を作ろう!

(写真左より)
つぼくら・こうせい
1997年1月7日生まれ、鳥取県出身。最近の主な出演作に、ミュージカル「DREAM!ing~Rainy Days~」(志部谷 幽 役)、舞台『魔法使いの約束』第3章(ネロ 役)など。2022年11月11日より、ミュージカル「Shuffle!〜まぜこぜ図書館『若草三銃士物語』〜」への出演を控える。Twitter

ましま・しゅうと
1995年8月8日生まれ、群馬県出身。最近の主な出演作に、conSept ヤング・アダルトシリーズ#1『アーモンド』(ユンジェ 役/ゴニ 役)、舞台「象」、舞台『パレード』(杉本良介 役)など。Twitter

まえだ・りゅうたろう
1995年5月27日生まれ、青森県出身。最近の主な出演作に、ライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」~うずまきナルト物語〜(鬼灯水月 役)、舞台「鬼滅の刃」其ノ弐 絆(不死川実弥 役)など。2022年10月6日より、ミュージカル『新テニスの王子様』Revolution Live 2022(切原赤也 役)への出演を控える。Twitter

interview

いよいよ稽古も大詰めかと思いますが、稽古場の雰囲気はいかがですか?

眞嶋:昨日、初めて衣裳を着けて通し稽古をやったんですけど、まるでテーマパークのようにワイワイしていて、本当に稽古場にいる時間が楽しかったです。みんなで汗かきながら何匹もの生き物を演じているので、「夏を過ごしてるな」って感じがしました(笑)。

衣裳を着けられたことで、より作品への理解も深まりましたか?

前田:衣裳を着ないでやっていた時とは見える景色が全然違いましたね。例えば秀斗くんが変身するシーンがあるんですけど、これまでは人間の力だけで演じようとしていたものが、衣裳によって視覚的にも表現されることでより面白くなるし、役者的にはすごく助かるなと。衣裳のおかげでやっと見えてきたなっていうのがすごくありましたね。

坪倉:そうですね、衣裳に結構助けられるというか「(役作りで)頼ってもいいんだな」って思いました。この姿で舞台に立って照明もついたら、この「ざんねんないきもの事典」の世界観がすごく見えてくるんじゃないかな。

眞嶋:生き物の表し方も着ぐるみのような形だったり、逆に模型みたいな感じで出てくるものもあったり、動物園にいるようで見ているだけでも楽しかったです。本当に色々な動物が「こんなに!?」ってくらい出てくるので、ちょっと自分でもびっくりしてました。

前田:ただ今回は早着替えも多いので、衣裳によって助けられた反面「あ、結構しんどいな」っていうのが如実に表れてきたというか。
舞台袖にハケてちょっと休んだりできるのって役者にとっては結構大きいと思うんです。ただ今回は袖に入ってからも戦いみたいなところがあるので。でも、やらなければいけないことがまた一つ見えてきたということなので、それはすごく良かったですね。

坪倉:衣裳を着けての通し稽古で体力はかなり削られましたけど、気持ちいい体力の使い方、気持ちいい汗のかき方だなってすごく感じましたね。みんなのそのエネルギーが、お客さんにもっともっと届けばいいなって思いました。

前田:「これだけの登場キャラクターをたった8人でやるのか!」っていう。初めに台本を読んだ時も思ったんですけど、生き物がとにかく次から次へと出てきて「あれ? (今回の出演者)8人だよね?」って(笑)。

坪倉:最初に台本を読んだ段階から「盛りだくさんだな」とは思っていたんです。歌もダンスもあって、たくさんの動物たちが出てきて、「この動物にはこういう特徴があって」という説明ゼリフも多くて。
ゾウとかゴリラとかキリンとか王道の動物ばっかり出てくると思っていたんですけど、例えば「ホシバナモグラ」とか自分が全然知らなかった動物もいっぱい出てくるんです。でもそういう動物の“ざんねん”な特徴も(眞嶋演じる主人公の)しゅうたが説明してくれるので、観ている人にも分かりやすく伝わると思います。

眞嶋:もちろん子供が観ても楽しい作品なのですが、大人が観ても自分の子供時代を思い返したりできる作品だと思います。生き物に対してもまた興味が湧いてきたりするんじゃないかな。
自分自身も小さい時は恐竜の図鑑とか読み漁ったり家族で動物園に行ったりしていたので、台本を読んだ時はそういう小学生の頃を思い出しました。しゅうたのようにお母さんにテストを見せられない時の気持ちとか、いろんな生き物に対してのワクワク感とか。

眞嶋さんもテストを隠したりしていたんですか?

眞嶋:隠すというか、見せない(笑)。

前田:(笑)。

眞嶋:あの手この手を使って、ロッカーの奥に入れっぱなしにしてたり、雑誌と雑誌の間に入れといたり(笑)。そういった意味では多分“ざんねん”な小学生でした。

眞嶋さん演じるしゅうたも勉強が苦手ということで、同じ悩みを抱える子供たちにも勇気を与えられそうですね。そんな素敵な脚本を手掛けた村上大樹さんの演出はいかがでしょうか?

眞嶋:僕は初めてご一緒するのですが、一言で言うと「面白い」方です。すごく穏やかな優しい方という印象なんですけど、ある程度稽古が進んできた時に日替わりのネタというか遊べる要素を考えていたら、村上さんの方からボンボンボンボンアイデアが出てくるんです! それが全部面白いんですよね。
昨日の稽古でも、もう100個くらいアイデアが湧き出てきてまして。一見穏やかそうに見えて、すごく色々な面白いことが詰まった方なんです。僕も早くその中で自由に遊べるようになりたいですね。

役者の皆さんもアドリブを提案されたりするのでしょうか?

眞嶋そうですね。本当に自由に、何でも披露できる稽古場だなと感じています。その分事故を起こす時もありますけどね、僕とか(笑)。

前田:僕はご一緒するのが2回目なんですけど、以前から感じていたのはすごく丁寧な演出をされる方だなと。たまに脱線したりもするんですけど、一つ一つのことに時間を掛けて分かりやすく噛み砕いて、みんなが理解できるように話してくれるんです。
あとは今回出演者が8人しかいないので、休憩中とかにみんなで会話するような時間も増えてきていて。そういうところで村上さんも会話に参加してくれて、座組一体で「みんなで作っていくよ」といった雰囲気を提示してくれてる感じはすごくしますね。そういう部分で本当に助けてもらっています。

坪倉:僕も2回目なんですけど、最初にご一緒した時と比べて「村上さんって結構コメディ好きなんだな」っていう新しい面が見えましたね。稽古をしていく中で村上さん自身がめちゃくちゃ楽しんでいるし、「ここをこうしたらもっと面白い」みたいなことを提案してくださりながら役者のみんなが出した意見も受け入れて、それを上手く調整してくれています。
たとえちょっと稽古時間が押したとしても、解決するまでちゃんと付き合ってくれるので、さっき隆くんも言ったように本当に丁寧な方だという印象です。動物の役振りも役者それぞれの個性に合ったイメージで行っていると言ってましたね。

稽古やそういった会話などを通じて皆さん仲良くなってきたかと思うのですが、共演者のいい意味で“ざんねん”なところ、例えば面白いNGやツッコミどころなどはありましたか?

前田:面白いNG……?

眞嶋:ミーアキャットとか。

坪倉:ああミーアキャット!(笑)

眞嶋:小川菜摘さんがミーアキャットを演じるシーンがあるんですけど、衣裳を反対に履かれていて、尻尾の部分が前側に来てしまってて……すごいことになってましたね(笑)。

坪倉:僕が“ざんねん”だなって思ったのは、秀斗くん演じるしゅうたの早着替えシーンですね。(野口)かおるさん演じるウォンバットと自分が演じるキツネが、しゅうたの服をバサッと引きちぎるんですけど、その時のしゅうたの格好は僕のツボっていうか(笑)。演出上しょうがないんですけど、“ざんねん”だなって格好をしているのでめちゃくちゃ面白いんですよね。この格好を秀斗くんがやるのが面白い(笑)。

どんな格好なのか劇場で拝見するのを楽しみにしてます(笑)

前田:なんだろうなぁ、……皆さんとても素晴らしいので、僕には全然“ざんねん”には見えないですね。

坪倉:ふふっ。

眞嶋:いやいや(笑)。

ちょっとずるい回答ですね(笑)。

前田:(笑)。でも、稽古場で秀斗くんに用意されてた仮の衣裳があったんですよ。それが段ボールで作られてたんですけど、その衣裳を着た秀斗くんの姿が一番“ざんねん”でした。

眞嶋:あれは誰が着ても面白いよ(笑)。

前田:あの姿がいまだに忘れられないですね(笑)。

眞嶋:あれ、どうにかして舞台に出せないかな。

坪倉:あはは(笑)。

前田:あれが一番面白かったかもしれないですね。

眞嶋:あと稽古場では結構激しく動くので、野口かおるさんが飲み物やチョコレート、栄養ドリンクなどを自分の机の上に並べられているんですけど、それが日に日に多くなっていって、ちょっとした売店みたいになってて。

前田:あー確かに。

眞嶋:「自由に使っていいよー」とか言ってくれてて。

前田:で、逆に台本を置くスペースが日に日に無くなってってます(笑)。

ちょっと話題を変えて皆さんの近況を少しずつ伺いたいのですが、まず眞嶋さんは先日8月8日に誕生日を迎えられました。27歳はどんな年にしていきたいですか?

前田・坪倉:おめでとうございます!

眞嶋:ありがとうございます! 今小学生の役をやっているということもあるんですけど、もうちょっと“子供っぽく”というか、もっと純粋に自分のやりたいことを大切にして、あの時の気持ちを思い出して生きていきたいなって思いましたね。例えば最近はすごく暑かったりもしますけど、「暑いけどアウトドア行くぞ!」みたいな。
どうしても大人になると色々セーブしたりコントロールしてしまうことも出てくると思うんですけど、そういう気持ちをもっと大事にして、健康に楽しく1年過ごせればなと思います。

役者としても、最近はチャレンジングな作品に多く出演されている印象です。

眞嶋:多分、この年くらいから役柄も変わってくるのかなって思っていますが、意外とまだ学生役とか、小学生役もありがたいことにやらせていただいているので、そこはあんまりこだわらずに自分らしくやっていければ。でも、そろそろ大人の役にも挑戦していきたいなとは思っています。

前田さんは先月、レストラン・バー「DisGOONieS」での公演、饗宴「眠れない羊」を無事終えられました。レストラン内での演劇というなかなか無い距離感だったかと思うのですが、いかがでしたか?

前田:あの距離でお芝居をするということはこれまで無かったので、自分のアクティングエリアに人がいるということに最初は「大丈夫かな?」「ぶつからないかな?」という恐怖がありました。稽古中からずっと店内を使わせていただいてはいたんですけど、やっぱりお客さんが入ると勝手が違いましたね。お客さんが入った時の圧迫感、そして本番では今まで通れた道が通れなくなりその場で導線が変わったりもして、最初はやっぱり不安が強かったです。
けど公演を重ねるうちに、そこでのお芝居の楽しみ方を知ったというか。これは共演者の方もみんな言っていたんですけど、あの空間でしか味わえない距離感だったり、お芝居の雰囲気だったりというのがすごくあったので、いい勉強ができたなと感じています。

今後のお芝居にも活かせそうですか?

前田:そうですね……やっぱりその、鼻毛が見える距離感だったので、ちゃんと鼻毛を処理しないとなというのは今後も活きるかもしれないですね(笑)。というのは冗談で、はい! あの距離感や臨場感は今後のお芝居にとても活かされる経験だったと思います。

坪倉さんは所属されている劇団番町ボーイズ☆第14回本公演 「逃げろ、逃げるな。」にご出演されました。脚本・演出を同じく劇団員の糸川耀士郎さんが務められましたが、創り手としての糸川さんはいかがでしたか?

坪倉:さすがだなと思ったのが、稽古の流れやスケジュールの効率がめちゃくちゃいいんですよ。耀士郎くん自身いろんな舞台を演者としてやってきているので、役者の気持ちを分かってくれているんですよね。台本を通して耀士郎くんの新しい面も見えたり。
耀士郎くんは番町ボーイズの中でも憧れの存在なので、あの舞台を通して「より一層頑張りたい」って思いましたね。稽古でも悔しさをずっと感じてました。「違う」って言われたら「これは何が違うんだろう?」みたいな試行錯誤を終盤までずっと……終盤というか、本番の中でも自分の中で試行錯誤していた面がありましたね。すごく勉強になりました。

ありがとうございます。さまざまな経験を積んだ皆さんが作る「ざんねんないきもの事典」を拝見するのが楽しみです。今作はお子さんから大人まで幅広い年齢層のお客様がいらっしゃるかと思いますが、最後に楽しみにしていてほしいところを伺えますか?

眞嶋:こんなにいろんな生き物が出てくる舞台ってなかなかないと思うし、“レアな生き物が登場する”というところがこのミュージカル「ざんねんないきもの事典」のポイント。動物園に行くような、ひと夏の旅をみんなで一緒にするような感覚を味わえる作品になっていると思います。
歌やダンスも何十曲もあって、すごく楽しい曲だったりちょっとジーンとくるような曲もあるんです。お子さんも一緒に真似して歌っていただけたらすごく嬉しいですね。何より、「舞台って楽しいんだな」っていうのをお伝えできれば一番いいんじゃないかなって思います。

前田:演劇というものを観たことない子も多いと思いますので、一生懸命な大人たちの姿を見て子供たちが笑ってくれたりとか、何か夏の思い出になればいいなっていうのが一番ですね。もちろん大人の方も楽しめるようになっているんですけど、やっぱり原作の『ざんねんないきもの事典』という本が子供に人気なので、子供たちが夏休み終わって学校へ行った時に「『ざんねんないきもの事典』観た?」みたいに話題になってくれたら嬉しいです。
大人の方たちは、本当に大人がバカやってるだけなので、バカな大人たちを観て楽しんでいただければいいなと思います。

坪倉:いろんな動物をそれぞれの役者が演じていくんですけど、子供たちがその動物を知らない場合、自分たちの演じるキャラクターがその動物の印象になっていくと思うんですよ。あくまでこの演者側が演じている動物は、自分たちが「この動物が人間になったらこういう気持ちなのかな?」と想像しているキャラクターなんですが、子供たちもこの作品を通じて「この動物はこんな特徴があって、こういう動物なのかな?」ってそれぞれ想像してもらえるよう、僕たちも全力で演じていきたいと思います。
これを機に動物をもっと好きになったり、もっといろんな動物を知りたいっていう欲が出てくれたら嬉しいな。コメディのシーンもたくさんあるので、たくさん笑ってこの夏を過ごしてほしいなと思ってます。

information

ミュージカル「ざんねんないきもの事典~いきものたちの逆襲~」

【日程】2022年8月18日(木)~8月28日(日)
【会場】東京・あうるすぽっと(豊島区立舞台芸術交流センター)

【原作】『ざんねんないきもの事典』シリーズ(高橋書店)
【脚本・作詞・演出】村上大樹(拙者ムニエル)
【音楽】楠瀬拓哉

【出演】
眞嶋秀斗、前田隆太朗、坪倉康晴、田崎礼奈
矢島舞美、加藤 啓、野口かおる
小川菜摘

【配信】
8月26日(金)18:30公演
詳細ページ

zannen-stage.com
Twitter

credit

テキスト:田代大樹
ステージ写真撮影:曳野若菜

© ミュージカル「ざんねんないきもの事典~いきものたちの逆襲~」
「ざんねんないきもの」は、株式会社高橋書店の登録商標です。
©TAKAHASHI SHOTEN

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