【The Brow Beat】ニューシングル「ラブレター」【インタビュー】

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俳優・佐藤流司がアーティスト「Ryuji」として、PENICILLINのHAKUEIによるトータルプロデュースで結成したバンドプロジェクト「The Brow Beat」。
デビュー5周年を飾る2023年5月31日リリースのニューシングルではhide with Spread Beaverの名曲「ROCKET DIVE」をカバー、そして『ブラック・ジャック』漫画連載50周年記念テーマソングも収録されるなど、発売前から大きな話題を呼んでいる。

「Sparkle web」では表題曲「ラブレター」のMV収録に潜入!
撮影現場レポートと、Ryuji&HAKUEIのSPインタビューをW掲載!
後編となるインタビューでは、新収録となる3曲全てに作詞で参加しているRyujiに、制作への思いを聞いた。
そしてこの5年、Ryujiのことを隣で見守り、共に歌い続けてきたHAKUEIから語られる制作の裏側とは。

全2回の2回目/前編はこちら

ザ・ブロウ・ビート
俳優の佐藤流司がアーティスト「Ryuji」として結成したバンドプロジェクト。PENICILLINのHAKUEIがツインボーカル&トータルプロデュースを務める。2018年1月1日、1stアルバム『ラグナロク』でインディーズデビューを果たし、2021年7月にはシングル「ハレヴタイ」でメジャーに進出。2022年4月にはアルバム『404』を発表した。現在、5周年記念ツアー「The Brow Beat Live Tour 2023 “The Five Senses”」を開催中。official site

interview

最初に「ラブレター」というタイトルを見た時、「The Brow Beatのことだから、まさか直球のラブソングではないだろう」と思っていたら、やはり違いました(笑)。

Ryuji:ふははは!

HAKUEI:甘ぁ〜いラブソングだと思いますよね、普通は(笑)。

Ryuji:やっぱりない! あるわけがない!

「ラブレター」はRyujiさんとHAKUEIさんの掛け合いも素晴らしい一曲。Ryujiさんは作詞にも関わっています。

Ryuji:作詞はコバヤシユウジさんと共作になっているんです。実は1サビについてはコバヤシさんの書いてくださった歌詞そのままなんですよ。仮歌詞の時点でこれができていたので、すでにめちゃくちゃ曲として完成されていて、「これでいいな」と思ったんです。俺が書かなくても十分かっこいいなって思っちゃったんですけど、「ぜひ書いてほしい」と言っていただいたので1サビ以外の部分を書くことにしました。
タイトルに関しては、この1サビの歌詞を聴いてパッと思い浮かんだのが「ラブレター」だったから。そのタイトルから歌詞を考えていきました。

HAKUEIさんはこのタイトルも含め、曲を聴いてどう感じましたか?

HAKUEI:疾走感のある展開の速い曲で、途中2回くらいテンポチェンジもしていたり、割とめまぐるしい骨組みの曲なんですけど。そこに「ラブレター」というタイトルが来ることで、また違う“厚さ”が出てくるというか。曲調の攻撃力の厚さだけじゃないものが出ると思って、すごくいいなと思いました。あと、きっとすごくライブ向きだと思いますね。

MVのコンセプトは?

Ryuji:要はこれって応援歌で、「ラブレター」というのはお客様に対するものなんです。でも俺が曲を作る時って、皆さんのことはもちろんですが、自分自身を励ますためにも書いているところがあったりするんです。だからなんかこう……我々がライブハウスで歌っているのを皆さんが聴いていたりもするけど、逆にオーディエンスが歌っているのを自分も観ていたりする、ということをコンセプトに作っていきましたね。

そして、佐藤希洋さんが再びMVにご登場。

Ryuji:はい!

HAKUEI:はははは! いたねぇ〜(笑)。

Ryuji:マサのことも撮るだけ撮ったんですけど、普通に全部カットしようかなと思っているところです(笑)。

HAKUEI:あはははは!

Ryuji:撮ったんですけどねぇ(笑)。

あんなにHAKUEIさんがマサさんのフードの角度にこだわってらっしゃったのに……!?

Ryuji:ひゃはははは!

HAKUEI:全部カットするか迷ってますね……Ryujiくんどうする?(笑)

マサさんが出演されたこれまでの「銃声」「21グラム」MVとの繋がりも?

Ryuji:そうなっちゃいますよねぇ。それは、MVを観てご確認いただけたらと思います。

HAKUEI:彼さ、何もしていなくてもなんか恥ずかしそうに見えるんだよね(笑)。この人、何が恥ずかしいのかな?みたいな。

Ryuji:そうですね、いつも所在無さげで(笑)。

HAKUEI:いいキャラクターなので、今回のMVにも出たのかもしれませんね。

MV撮影ではお二人が率先して「こうしよう」と話したり動いていらっしゃるなと感じたのですが、事前に「こういう風に作ろう」など相談したことや意見を交わしたことはありますか?

HAKUEI:彼を出したいって言ったのはRyujiくんですから。それに僕がノーって言うわけないので(笑)。

Ryuji:やっぱりミュージックビデオって、演奏や我々のイメージシーンだけじゃなくて、役者がお芝居したりすることでワンランクグッと上がるなぁと思うんです。だから少しだけでもアクティングの要素が欲しかった、というのが思いとしてありました。ただMVの打ち合わせをしたのが撮影の4日前とかで……。彼なら急な出演相談もしやすかったというのは、正直あります(笑)。

シングル2曲目の「な訳ねぇだろ」は、ある意味“らしい”曲だと感じました。まず、HAKUEIさんに「ダルこのドアホ」と歌わせる衝撃が……(笑)。

HAKUEI:あははははっ。意外とスルッと歌えました(笑)。

Ryuji:この曲、無駄に軽快ですよね(笑)。

HAKUEI:歌詞を見た時は「これかぁ……」と思ったんだけど(笑)、歌ったら意外とスーッといけんだなぁって、新鮮でしたね(笑)。

Ryuji:はははっ。

「五寸釘でも可」というコーラスもいいですよね。

HAKUEI:そこはRyujiくんの大喜利なんですよ。最初、コーラス部分の歌詞は無かったんですよ。

Ryuji:歌詞カードのカッコの部分は歌が無かったですね。

HAKUEI:そこをアレンジ的な観点から「ガヤで埋めよう」と。「じゃあ歌詞考えてください」って言ったら、10秒くらいで「俺、いつでも歌えますけど」って言ってきて(笑)。

Ryuji:へへ(笑)。

HAKUEI:で、いざ歌ったのがこれなの(笑)。録ってる時エンジニアと爆笑しましたよ、「大喜利力あんな〜」って。カッコの部分は全部大喜利ですから。「プリン誤発注後」とかもまんまとやらされてるんですよ……(笑)。でもここもレコーディングでシャウトしてみたら、「意外と合うな!?」って。

Ryuji:あははは!

HAKUEI:歌いやすいなぁって。不思議なもので。

「シンデレラ」などもそうでしたが、とんでもないワードチョイスの連続ながら、とにかくメロディーがかっこよくて。そのギャップがすごいですよね。

Ryuji:そうなんですよね。

HAKUEI:ほんと、なんてことしてくれたんだっていう(笑)。

Ryuji:この曲、インストアイベントで初めてお客様に聴いてもらうんですよ。で、その時点では歌詞を公開していないので、多分普通に聴けちゃうんですよ。

HAKUEI:初めて聴いた人が聞き取れるのは、「クソクソ全部クソ」くらいかな?

Ryuji:「クソ」は分かりますね。でも「プリン誤発注後」とかは無理でしょうね。まず、こんな日本語存在するなんて誰も思わないから!(笑)

HAKUEI:あははは! この歌詞も出てくるの早かったなぁ。

Ryuji:これも一瞬で出てきましたね。

ちなみに「クソクソ全部クソ」を歌っている可愛らしい声の主は?

HAKUEI:作曲家のtatsuoさんのお子さんにお願いしました。「ハミングバード」のコーラスとかもそうなんですけど、あの可愛い声でいろんなことをごまかしてます(笑)。子供の声で気分を和らげないとまずいかなと。

Ryuji:とんでもないこと言ってますからね(笑)。

HAKUEI:あははは! 結果的にいいバランスになりましたよね。

Type-04収録の3曲目「紡ぐ」は、『ブラック・ジャック』漫画連載50周年を記念したテーマソングです。歌唱はAメロをRyujiさん、BメロをHAKUEIさんが担当。大サビで橋渡しがされ、二人の声が重なっていくという美しい構成でした。この構成はお二人で決められたんですか?

Ryuji:そうですね。レコーディング直前に二人で話して決めました。

HAKUEI:この曲は、二人でAメロを半分に区切って歌ったりするのは気持ち悪そうだなぁって思ったんですよ。とりあえずサビまでスルッといって、そこで僕がバトンタッチを受けて、大サビまで繋いでいくみたいな。そこでコントラストをつけながら歌っていくのがいいんじゃないかなって話し合いました。

この曲に限らず、どの曲もレコーディングの直前にお二人で歌割りを決めるのですか?

Ryuji:そもそも、歌詞をお見せするのもレコーディングの直前なんですよ。その場でお見せして、つらーっとその歌詞で歌ってみて決めていて。だから逆に、直前にならないと歌割りが作れないんですよね。

HAKUEI:そうですね。全体の雰囲気が見えてから「じゃあこうしようか」っていうことになるので。

では毎回HAKUEIさんは、Ryujiさんから歌詞をもらうたびに色々な感情を抱くのでは?

HAKUEI:いや、ビックリしましたね。「本当にこれ歌うんだ」と思って(笑)。勉強になりました! 意外といけんだなって。

Ryuji:えっと……「な訳ねぇだろ」に話戻ってません?(笑)

HAKUEI:あはは、ごめん! 「紡ぐ」、素晴らしいですよ。歌のパフォーマンスも。どの曲もしっかりと録っているつもりなんですけど、これはより深く突き刺さるものがあるというか。最後の大サビの入りとかも「すげぇな」って思いましたし。The Brow Beatならではのものを出せていることがすごくいいなぁって感じましたね。

すごく重たい分、ライブで聴いた時はどんな気持ちになるんだろうと想像させられました。

HAKUEI:俺らは最後まで歌えるのかな? この重たさを。

Ryuji:歌ったら精神的に喰らっていきそうだなと思うので、なかなかきつい一曲になるかもしれないですね。

このシングルでは、The Brow Beatならではの緩急が味わえるなと感じました。改めてこの3曲の幅広さに驚かされます。

HAKUEI:そうですよねぇ。思ったより出ちゃいましたね、今回。

Ryuji:出ちゃいましたね〜。

HAKUEI:そういう風に曲ごとに差をつけることは常に意識していますけど、それがここまでできちゃうのが僕らの恐ろしいところなんでしょうね。

そしてType-02に収録された、hide with Spread Beaver「ROCKET DIVE」のカバーについてもお聞かせください。かねてよりRyujiさんが「生まれる前から聴いていた」とおっしゃっているhideさん。これまでもThe Brow Beatのライブでは「ROCKET DIVE」の他、「ピンク スパイダー」、「ever free」、「DICE」なども披露されてきた中で、今回この楽曲を選んだ理由は?

Ryuji:俺からは「『ROCKET DIVE』か『ピンク スパイダー』か『DICE』のどれかですかね」みたいな話をHAKUEIさんに提案させてもらっていました。

HAKUEI:そうだったね。その中から1曲を選ぶのはすごく悩んだんですけど……。音源としてhideさんの曲をカバーさせてもらうって、やっぱり日本のロックミュージシャンにとっては大きなプレッシャーでもあるし、ものすごく覚悟がいることなんです。そういう中で、勢いのある楽曲でRyujiくんがパワフルに主線を歌うということを「ROCKET DIVE」で一発やった方がいいんじゃないかなって思ったんですよね。それで最終的にこの曲に決まりました。

HAKUEIさんにとって、hideさんはどんな存在だったのですか?

HAKUEI:ん〜……難しいですね。個人的にも可愛がっていただいていましたし。でもお会いする前……僕が高校生の頃からX JAPANは聴いていたので、最初にhideさんに会った時は「うわ、本物だ!」って思ったことを覚えています。ものすごいエネルギーの塊みたいな人で、とても温かい感じもあって。とにかく日本のめちゃくちゃセンスのいいロックスター。人間なのかな?って思うくらいかっこいい人ですね。

Ryujiさんは、実際にレコーディングされてみていかがでしたか?

Ryuji:カラオケでも歌いまくっていたし、ライブでも歌わせてもらっていましたし、準備は完璧な状態でレコーディングに挑みました。だから「録り直したいなぁ」みたいなことも全然無かったです。というか、さっきふと思ったんですけど、今年ってhide with Spread Beaverが25年ぶりのライブをやられたじゃないですか。

HAKUEI:そうだね。hideさんが亡くなったのは1998年の5月2日だからね。

Ryuji:亡くなられてから25年ぶりにワンマンライブが行われたタイミングで「ROCKET DIVE」をカバーさせてもらい、『ブラック・ジャック』50周年のタイミングに「紡ぐ」でコラボさせていただいて、そして俺らが5周年ということで……“5”に縁があるなぁと思ったんです。

HAKUEI:あるね! すごいね!!

Ryuji:5の倍数に縁がある、すごく不思議だなぁと。

PENICILLINも30周年で、こちらも5の倍数ですね……!

HAKUEI:本当だ!

Ryuji:確かに! すごいですね。

HAKUEI:でも本当に『ブラック・ジャック』にしてもそうですが、ものすごく歴史的な作品の50周年という大切な節目で曲を出させていただいたことに大きな縁を感じますよね。だって、僕は100周年の時は生きていないですからね。Ryujiくんは生きているかもしれないけど……(笑)。

Ryuji:んはは(笑)。

HAKUEI:そういう俺も、サイボーグになって生きているかもしれないですけどね(笑)。僕らの5周年の節目となる作品の中で、ものすごくビッグな漫画作品と、偉大な日本のロックスターとコラボレーションできたことはものすごく熱いですね。本当にありがたいです。

information

The Brow Beat ニューシングル「ラブレター」

2023年5月31日発売 / Dreamusic
【Type 01】¥1,980(税込) ​/MUCD-5414
【Type 02】¥1,980(税込) ​/MUCD-5415
【Type 03】¥1,980(税込) ​/MUCD-5416

【Type 04】¥1,980(税込) ​/MUCD-5417
【Type 05】¥1,980(税込) ​/MUCD-5418

詳細ページ

The Brow Beat Live Tour 2023 “The Five Senses”

【日程】2023年5月9日(火)、5月10日(水)
【会場】神奈川・CLUB CITTA’
【日程】5月13日(土)、5月14日(日)
【会場】大阪・なんばHatch
【日程】5月18日(木)、5月19日(金)
【会場】北海道・札幌PENNY LANE 24
【日程】5月24日(水)、5月25日(木)
【会場】愛知・名古屋DIAMOND HALL
【日程】5月27日(土)、5月28日(日)
【会場】福岡・福岡DRUM LOGOS
【日程】5月31日(水)、6月1日(木)
【会場】宮城・仙台Rensa
【日程】6月3日(土)、6月4日(日)
【会場】東京・LINE CUBE SHIBUYA

【チケット】
公式サイト

thebrowbeat.jp
Twitter

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Ryuji×HAKUEI(The Brow Beat)掲載
『Sparkle vol.48』発売中
Amazon商品ページ

内容:【アルバム『404』】
本文8ページ(対談インタビュー+コラム&撮り下ろしグラビア)
+巻末綴じ込み付録:The Brow Beatツヤツヤ厚紙2shotピンナップ

credit

テキスト:田中莉奈

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